仮面少女は王様の姉
□十一枚の葉
1ページ/4ページ
〈飛鳥side〉
決勝戦、青葉城西高校VS白鳥沢学園
ウォーミングアップの時、白鳥沢の鷲匠監督や牛島先輩達が私を見て、とても驚いていた。
そういえば、転校した事を言わないで臨時マネージャーをやめた。
「監督、ドリンクの用意をして来ますね。」
「あぁ頼んだ。誰か連れて行くか?」
「いいえ。ウォーミングアップに集中させてください。」
ベンチメンバーやスタメンには集中して欲しい。
一人で、水道でドリンクの用意をしていた。
「飛鳥っ‼︎」
「⁉︎、工…。どうして…。」
「俺、まだ準スタメンだからドリンクの用意を頼まれたんだ。」
「そっか…。」
白鳥沢は部員が多い。
工は一軍だけど人数が多いから、スタメン以外が交代でやっているのだろう。
「…どうして烏野じゃなくて、青城にいるんだ?」
「中学の先輩…及川先輩と岩泉先輩に誘われたから。あと、烏野にいたら飛雄に勝てない。」
「だったら、白鳥沢でも…!」
工が言いたい事はわかる。
「ごめんね、工。けど、私は…努力が才能に勝つのが見たいの。」