仮面少女は王様の姉

□八枚の葉
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〈飛雄side〉

伊達工との試合が終わった時、近くのコートから大きな歓声が聞こえてきた。

青葉城西の初戦だった。


「…“王者”も“ダークホース”も全部食って全国に行くのは青城だよ。」

「おい、影山っ。あそこに飛鳥がいるぞっ。」

「本当に青城のマネージャーになったんだな。」


青城のベンチに姉さんがいた。

こっちに気付いたのか、姉さんが俺達を見た。

そして、そのまま笑う事なく試合に目を戻した。


「なんだか飛鳥の雰囲気が変わったな。」

「大地の言う通りだべ。影山、なんでだ?」

「試合中だからです。マネージャーでも、試合中に集中を切らさないように気をつけているんです。」


姉さんはマネージャーとして凄く優秀だ。

中3の春の時に、白鳥沢から推薦が来ていたんだ。

結果は青城のストレート勝ちだった。
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