Book2
□トリック・オア・???
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赤「これで最後ですよ。」
兎「おっしゃー!こぉ――い!」
自主練を始めてから少し経ち、そろそろ疲れてきたので最後のトスを上げた。
バァン!!
と、激しい音を響かせてスパイクが決まる。
赤「ナイスキー。」
兎「ヘイヘイヘーーイ!やっぱ俺最強――!」
いいコンディションで今日の自主練は終了した。
部室で部誌を書いている最中、今朝の仮装道具が置かれているのを見つけ、そういえば今日はハロウィンなんだな、とぼんやり思い出す。
すると何となくだが『あの台詞』を言いたくなり、本当に何となくだが木兎さんに向かって言ってみた。
赤「木兎さん。」
兎「んー?」
赤「トリック・オア・トリート。」
兎「…………へ?」
まあ、急だし木兎さんが戸惑ってもしょうがないか。
赤「だから、トリック・オア・トリートです。今日ハロウィンでしょ。」
兎「…えっ、あぁ、いやそれはわかってるけどさ………。」
赤「?……じゃあ何に戸惑ってるんですか?」
兎「いや、赤葦がそういうイベントみたいな感じのを自分からやるとは思ってなかったから……。」
赤「あぁ、そっちですか。」