カカイル小説
□舌
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蒸し暑い夏の昼下がり。
家に帰ると涼しく冷やした居間の畳の上で、イルカ先生が昼寝をしていた。
Tシャツ短パンとなんともラフな格好で。
人が任務を終えて帰ってきたのに……この出迎え?
気怠さが伴い声をかけるのも億劫で、そのままシャワーを浴びに行った。
濡れた頭にタオルを被り、冷蔵庫から取り出した冷えたビールを片手に居間へ戻ると、先生はさっきと同じ様に眠っていた。
若干変わっていたのは寝返りを打ったぐらいか。
傍へ寄り腰を下ろし、ビールのプルタブを開ける。
グビグビと一気に半分の量を飲み干すと、ようやく人心地がついた。
チラリと寝っ転がる先生を見下ろす。
半開きになった口。
そこから赤い舌が寝息を立てる度に小さく上下するのが覗いて見えた。
なんとなく、オレより膨らみのあるその下唇に人差し指を置いてみる。
一瞬眉を寄せたように思えたが、瞼が開くことはなかった。
代わりに唇が閉じ、軽く指が挟まれる。
歯列を割ってもう少し奥に指を進めると、先ほどの赤い舌に到達した。
しばらくその弾む感触を楽しんでいたら、柔らかい舌が指に絡みついてきた。
唇が萎み、舌は口腔内で生き物のようにうねり指を舐め回す。
甘噛みされ、指の腹を丁寧に舌でなぞられたかと思うと、今度は先端を搾り取られるように強く吸われる。
舌は器用に動く。
唾液によって滑らかに。
その動きに合わせ、ゆっくりと、一定のリズムで指は唇から抜き差しを繰り返される。
出たり、入ったり……。
その行為は、淫猥で、官能的で。
ゾワリと肌が粟立つ。
指ではない、まるで別の“モノ”を舐められているような錯覚……。
どうでもよくなったまだ中身が残るビール缶を置き、身体ごと先生に向き直る。
「イルカセンセー。起きているんでしょ?」
目をパチリと開けた先生は、舌でオレの指を押し出した。
「あれ、バレてました?」
身体を起こすことはせず、仰向けのまま上目遣いで見つめられる。
「おかえりなさい。カカシさん」
そう言い手を伸ばし、布越しにでも分かるほど形を現しているオレのモノを擦った。
「しますか?」
寝そべりながら妖艶な笑みを浮かべるイルカ先生。
こういった出迎えなら大歓迎だ。
「お願いします」
先生の頭上から顔を覗き込み、その赤い舌に食らいついた。
終わり
エロって難しい……。