文豪ストレイドッグス
□黒の時代+α
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暗い暗い宵闇
ノラは貧民街から少し離れた場所で、人を殺めていた。
「たっ、助けてくれ!!い、命だけはッ...」
狭い路地裏で見つけて話しかけてきた人間が恐怖と一緒に声を出す。
『あ、あのね。私はある者を探しているの。私を超える者が欲しいの...わかる...?』
人の手ではない手が今目の前にいる人間を裂いた。
さっきまで生きていた多くの人間が今やピタリとも動かない物になっていた。
ノラはため息をこぼす
『今日も何もなく終わってしまった...人間の世界は儚いね...』
夜空を見上げてポツリとこぼした。
そして、帰ろうとした時に何かが近づいてくる音があった。
「やあ、君かい?毎晩人を殺しては消息を絶つという少女は...?」
男はそうノラにそう聞く。
『そう...と言ったら貴方は...私を殺すの...?』
質問から質問を返す
男は、そうだねぇと答え、何か考えている様に見えた。
そして少ししてから
「君、名前は?」
見ず知らずの人間に名前を聞かれ、その男を見て答えるか答えないかの事実を見つめた。
どうやら、答える方がまともだと思い答える
『私はノラ。貴方は見た所、人だけど少し違う』
そう答えると男は驚いた顔をした。
「そうだね。確かに君とは似た者同士だ。...さてこの辺にして本題に入らせてもらおう」
なんだと思へば
「ノラちゃん。君を勧誘したい」
・・・何を言っているんだ。いきなり現れては勧誘したいといった。
可笑しすぎる。私は何故?と聞いたすると彼は、闇に生きる人間だから。と答えた。
ノラは思った。この人は私を闇に染めようと、今までの生活よりは安定しこの人は私にいい夢をくれる...と。
伸ばされた手をノラは手に取り名前を聞いた。
「私かい?私は太宰。太宰治だよノラ」
これが太宰治との出会いであり、歯車が噛み合う日ともなった。