文豪ストレイドッグス
□人生万事塞翁が虎
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【敦視点】
何も食べるものが無く一人夕焼けの河川敷で歩いては止まるを繰り返していた。
餓死寸前というもの。
孤児院を追い出され食べるもの、寝るところもなく...かといって盗みを働かせる度胸もなくこんな所に来てしまった。
---生きたければ盗むか奪うしかない...けど---
【お前など孤児院にも要らぬ!どこぞで野垂れ死んでしまえ!】
「(五月蝿い---僕は死なないぞ。生きる為だ...次に通りかかった者...そいつを襲い財布を奪う。...!気配)」
後ろに振り返った。
そこには、銀髪の女性が立っていた。
『あの...通りすがりですけど、彼処に流れている人を助けてくれませんか...?』
不安な顔をしながら、川に指をさす
僕もその指された方を見ると川を流れる足があった。
「(えぇ...)」
ちらっと女性を見るとお願いとした顔をしている。
僕は川に飛び込み河川敷に引き上げた
「げほっ...げほ」
咳き込んでる時女性は此方に来た
『ありがとう』
感謝を込めて微笑んだ。
思わず僕はその笑みで頬を赤く染めた。
女性は引き上げた人に向かった。
『...治、起きて。怒られるよ』
女性はその人を揺さぶるとその人は目を開き上半身を起こした。
「あ、あんた川に流されてて...大丈夫?」
「助かったか......。ちぇっ」
「(今ちぇっ、って言ったよこの人!)」
男は僕の方を向いて
「君かい?私の入水を邪魔したのはそれともノラかい」
「え、邪魔だなんて...僕は助けようと...。入水...?」
「知らんかね入水、つまり自殺だよ」
『...心配したのに、この人に迷惑』
「...は?」
「私は自殺しようとしていたのだ。それを君が余計なことを---」
「は、はぁ(あれ?僕...今怒られている?)」
女性が申し訳なさそうに僕に話しかけてきた。
『ごめんなさい、この人いっつもそうだから無視していいよ』
僕は少し驚いた
「あ、はい」
男の人の声が一時停止し
「まぁ、人に迷惑をかけない、清くクリーンな自殺が私の心情だ。...だのに君に迷惑をかけた。これは此方の落ち度、何かお詫びを...」
「[ぐぅうううう]」
「『....』」
「空腹かい少年」
「じ、実はここ数日何も食べてなくて...」
「[ぐぅううう]」
『...』
「私もだ。ちなみに財布も流された」
「ええ?助けたお礼にご馳走っていう流れだと思っていたのに」
『ご、ごめんね...お兄さん』
【敦視点終了】