A tale of Erebor
□あとがき。
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ホビット公開からかなりの年月が経ちましたが、いまさらはまってしまいました。そんな勢いに乗って書いた今作でしたが、いかがでしたでしょうか?
トーリンは本当に頑固で、わからずやで、ときにひどいことを言います。でもその背中には誰も肩代わりは決してできない重荷を背負った人物です。父親の期待に応えなければと自分の人生をどこかで重荷と感じていたボロミアと少し似た人物なのではないかなと私は思います。
一方で、ビルボはおおらかで誰かから制約を受けることが苦手。一般人気質な彼と重荷を背負ったトーリン。二人の友情を待つ先にある結末に涙した人も多いのではないでしょうか。
この一つの指輪をめぐる物語では、決して無駄なことは何ひとつありません。誰かの犠牲や喪失が、おおきな成功や勝利を生み出す。登場人物を含め、すべてのものたちは大きすぎて逆らうことができない必然と運命の中で生きることが最初から決められているのです。
それでも、生きていく。それでも時間は流れるし、今日という日はやってくる。
よかったら皆さんも届けてやってください、トーリンとネルファンディアを待ち受ける未来と、それが生み出す流転の先を。
――――たとえそれが、哀しい定めであったとしても。
(次ページ予告あり)