溜まり場
□詞とか
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「青春」
青い春とはなんて軽薄な名前だろう。俗に青春と呼ぶ時期は、私にとっては鮮やかな青なんかではなくて、もっと掠れたセピアのようだった。もっと確かで暖かく、いつまでも重く引きずる足枷のようだった。
「君が」
君がいない世界はあまりにも生きやすくて。きっと、君のことが好きだった僕はあの時君と共に死んだのだ。
「手」
君の手が紙の上を滑ると、みるみるうちに白紙の上には世界が広がっていった。顔なんて見なくてもわかる。なんて楽しそうに描くんだろう。私は何度でも君の世界に、それを生み出す君の手に、何度でも見惚れてしまうのだ。
「あの頃は」
君の手が紙の上を滑るのが好きだった。真っ白で何もない世界に湧き出るように生まれる君の世界が好きだったんだよ。君はもう私のことなんて覚えてもないと思うけど。私は幸せだったんだよ。
「黙って」
何も言わずに手を握って。
何も言わずに抱きしめてほしい。
貴方はいつも、一言余計なのだから。
「許し」