エレメンタルマテリアル

□託された思い
1ページ/2ページ

レイアース「僕はどこから来てどこへいくのか―――
僕はどこから来て―――――
僕は――――
ぼく――――
僕は、キミなんだ。
やっとわかった―――
わかった―――
わか――――
はじめからわかっていたのかもしれない。
と出会ったあのときから――――」
 レイアースと対面するように浮かぶ
 もう一つの影
レイ「やっぱり、僕らは二人で一人だったんだね。」
 レイが話しかける
レイアース「あぁ、そうだな。乖離しかけるまで気づかないなんて、とんだバカだったよな。俺たち。」
 二人の中心に光の珠が浮かんでいる
レイ「そうだね。僕らはバカだったんだよ。大切な物にも気づかずに―――それに、自分にも気づかずに。」
 光の珠が二人を包み込むように
 暖かい光を放っている
レイアース「あぁ、そうさ。だからこそ、おまえにすべてを託せる。みんなを救ってやってくれ。」
 レイアースが光の珠になり
 レイの中へと入っていく
レイ「うん、僕はもう、迷わない。何があっても生き抜いてみせるよ。
まだ、死を理解することもできないから、死ねないのだけれども、
この死のない体で、
いつか死を理解できるようになるまで
大切な人を守り続けるよ。
だから、キミの思いも無駄にしない。
ありがとう。
究極の戦士―――
もう一人の。」
クリフォト
 シンクの前にある原色の光
 赤・青・緑
シンク「ヘブンは眠りましたか―――」
 一つだけ閉じられたトランク
 次の目覚めまであくことはない扉
フラミング「これで、残りはオレサマ達とエビルだけだな。」
シンク「えぇ、そうですね。しかし、究極の戦士が覚醒したと思ったら、また、反応が消えたのが、気になりますね。」
 気になるようだ
フラット「それについては、エビルが向かっているはずです。」
 何かを思いつき
シンク「――――それと、例のレプリカを使いましょう。そろそろ、使えるはずではないですか?」
 その言葉に対して
カプリシアス「わかりました。研究所より持って参ります。」
 緑の光が消える
フラット「私は研究に戻ります。」
 蒼い光も消えていく
フラミング「では、オレサマは、ナンパ・・・じゃなくて、観察してきます。」
 紅い光も消えていく
シンク「やはり、あらがいますか―――究極の戦士、いえ、レイ・・・。」
 妖しく響き渡る
暗黒の世界
 闇だけが続く世界
 そこに散らばる力の片鱗
エビル「あと少し、あと少しですべてがそろう・・・。まっていろ、まっていろよ。必ず・・・必ず復讐してやる!!復讐してやるぞ!!」
 エビルの声だけが響き渡る
光の世界
 光が辺りを覆い尽くしている
 すべてを浄化する光が
 すべてを癒す光
 その光がレイの体を再構成していく
レイ「(M)体は動くようになってきた――――もう少しで完治するだろう。あとは――――」
 そこに浮かび上がるもう一つの影
裏レイ「よぉ〜!やっぱり死ねなかったみたいだな。」
 レイに話しかけるもう一つの意識
レイ「あぁ、死に損ねたよ。まだまだ、お前とのつきあいも続きそうだ。」
裏レイ「だからいっただろう?お前が、死を理解できない限り、おまえは死ぬことはないってな。」
 脳裏に巡る言葉
 意識を集中してないと今にも吹き飛ばされそうだ
レイ「お前の言葉だったんだな。だから、誰に言われたのか記憶になかった。」
 辺りを駆けめぐる言霊
裏レイ「あぁ、そうだ。オレの意識だ。」
 言霊が血の羽根へと変化を遂げる
レイ「悪趣味だな。」
 羽根の燐翅を見ていう
 それに対して
裏レイ「そうか?綺麗だろう?」
 燐翅が舞い散っている
 その羽根が雪の結晶のように輝いている
レイ「いや、悪趣味だよ。」
 裏レイの姿が変わる
アキ「だったら、この姿ならいいのかい?」
 アキの姿へと変わっている
レイ「悪趣味に代わりはないさ。おまえがやるとな。」
 元の姿に戻り
裏レイ「やっぱり、オレは嫌われてるんだな。」
レイ「当たり前だろう?お前のせいでどれだけの物を失ったと思う。」
裏レイ「受け入れたのは、おまえだろう?」
 レイの顔が一瞬曇る
レイ「あぁ、そうだったな。人を守る力と代価におまえを受け入れた。もしかしたら、間違いだったのかもな。」
 裏が嬉しそうに
裏レイ「だが、受け入れなければ、今まで以上に失っていたと思うぞ。もっと早い時期にな。」
レイ「あぁ、そうだな。あのときにすべてを失っていたかも知れないな。だが、今でも思うんだ。あのときに受け入れなければ、僕は存在することがなかったんじゃないかって。」
裏レイ「あぁ、間違いなく存在していなかっただろう。だが―――」
 割り込むように
レイ「あぁ、こんな気持ちになることも、大切な物と出会うこともなかったんだろうな。それを考えると受け入れてよかったのかもしれない。」
 レイの体の傷が完治する
 それと同時に裏も消えかける
裏レイ「戯れ言もこの辺で終わりだな。」
 消えていく(戻っていく?)
レイ「あぁ、またな。」
裏レイ「またな・・・か、どこまでも優しい奴だな。」
 完全に消える
 それと共にレイの意識も完全に覚醒する
光の街−クレセント
 レイが起きあがる
レイ「(欠伸)」
 目を開ける
 巧く見えない
レイ「(M)巧く見えない―――視神経が回復してないのか?真っ白な世界が見える―――」
 自分の体に違和感を感じているようだ
レイ「(M)いや、みえてないんだじゃなくて―――」
 何かを思い出す
アキ「ここには、光に包まれている―――クレセントって街があるんだよ。」
 アキの言葉が脳裏をよぎる
レイ「(M)ここが、そうなのか?だったら―――」
 辺りに満ちる源素を体に取り込む
 すると、レイの体が適応していく
レイ「やはり、そうだったみたいだな。これで、ようやく見える。」
 目の前に広がるのは
 光に満ちた世界
 一点の曇りもなく
 ただ延々と光だけが続いている
レイ「さて、どうしたもんかな?」
 レイが顔をしかめる
 どうして、ここにいるかもわからないのだから、
 どうしようもない
レイ「黙って出て行くわけにもいかないよな〜。」
 扉のノックする音
 そして、扉が開き人が入ってくる
ヘブン(レプリカ)「大丈夫でしたか?」
 顔を見て驚くが
レイ「えぇ、大丈夫ですよ。」
 敵だったヘブンと別人とわかる
 気配が違う
ヘブン(レプリカ)「それはよかったです。見つけたときは死んでいるかと思いましたよw」
 家のすぐそばには湖がある
レイ「悪運だけは、強いみたいなんですよw」
ヘブン(レプリカ)「えぇ、私もそう思いますよ。あなたには、特別な何かがあると思います。」
 レイがベッドから降りる(出る?)
ヘブン(レプリカ)「大丈夫なんですか!?」
 少し驚いているようだ
レイ「えぇ、もう全然平気ですよ。」
 それを見て
ヘブン(レプリカ)「本当に不思議な体質なんですね。」
レイ「えぇ、そうみたいなんですよ。」
 レイを押さえ込んで(?)
ヘブン(レプリカ)「でも、もう少し休んで下さい。」
 それを見て
レイ「・・・それじゃぁ、そうさせてもらうよ。ありがとう。」
ヘブン(レプリカ)「いえいえ。」
 ヘブンがテーブルに食器などを起き
 それに飲み物を入れていく
ヘブン(レプリカ)「キミには少し強めのを入れておきますね。」
 紅い結晶を入れる
 そして、溶かして渡す
レイ「(M)―――ばれているのか?僕が吸血鬼だって―――」
ヘブン「大丈夫ですよ。さっきいれたのは、エレスですから。」
 レイがそれを飲む
レイ「あぁ、おいしいよ。」
過去―真紅の剣舞
 どこかの檻
 下界とを隔離するかのように
 頑丈な結界が張られている
レイ「僕はどうしてここにいるんだろうか?」
 いつもと同じことしか
 頭を駆けめぐらない
レイ「僕は何のために生まれたんだろうか?」
 でも、いつもとは違った
 辺りに溢れる警戒音
 うるさいくらいに流れている
レイ「僕はどこへ行くんだろうか?」
 破られる結界
緋骸「見つけた―――力の者。」
 血が結界をくだいたようだ
レイ「だれ?」
 血がレイに襲いかかる
 レイはかわそうともしない
 だが、血はレイをかわす
緋骸「強い―――おまえ、オレと契約・・・」
レイ「契約?僕と?」
 初めて必要とされたような気分
緋骸「おまえ・・・契約」
 真紅が血になり
 レイの体にとけ込んでいく
レイ「・・・いいよ。僕を必要としてくれるなら―――ここにいるよりは、ましだから。」
 真紅の血とレイの血が混ざり合う
 それと共にその場から消えていく
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ