無限の六色

 渋谷。

 ファッションモールにマネージャーが一人と某アイドルが一人。 

 その男前を売りにしているアイドルは、新しく開店する輸入店のイメージキャラクターを務めることになったのだ。
 同伴するのは最近マネージャーになった若い女性。どちらも艶やかな黒髪が映える美男美女だ。
 アイドルの彼はまあ分かる。が、何よりもマネージャーだ。オーナーが是非貴女にもキャラクターをやってほしいと言うほどの美人。謙虚で真面目な彼女はとんでもないと慌てて両手と首を振っていた。アイドルも満更でもなさそうにやってみい、などと冗談口を叩く。何言ってるんですかと彼女がムキになり、はっとする。ここまでのやり取りが約四時間前の事だ。

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