StoryA

□You Are My Everything
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『セブルス‥‥‥‥っ!』




ナギニがスネイプに牙をむいたその瞬間、彼の目の前に突然チヒロが現れ、彼女はナギニに首元を深く噛まれた。

そのまま倒れ込んだチヒロをスネイプは咄嗟に抱き止める。




「チヒロ、どうして‥‥」

『決まってるでしょう?姿現しで来たのよ』

「そういうことではない!なぜっ‥‥‥‥なぜ我輩を庇ったりした!?」

『あら、あなただって‥‥大切な人のために、全てを犠牲にしたくせに』




腕の中で切なげに笑ったチヒロを見て、スネイプは心臓をえぐられるような思いがした。

こんな形で、彼女の笑顔なんて見たくなかった。




「ちょうど良いところでやって来たなチヒロ」

『‥‥‥‥我が君、』

「望み通りセブルス共々殺してやろう。やれ、ナギニ」




主人に命じられて再び牙をむいたナギニから守るように、今度はスネイプがチヒロに覆い被さった。

そんな彼の背中に、ナギニは容赦なく噛み付いていく。




『いやっ、いやぁ!やめてセブルス!こんなのいやよ!離して!お願い‥‥‥っ』

「っ、黙っていろ」




腕の中で必死に暴れるチヒロをきつくきつく抱きしめて、スネイプは背中に牙を受け続けた。

そしてようやく攻撃が止んだときには、壁も床もすっかり赤黒く染まっていた。




「ナギニが毒を持っているのは知っているだろう。どちらにせよチヒロも死ぬというのに‥‥‥‥無駄なことを」




ヴォルデモートは冷たく二人を見下ろし鼻で笑うと、ナギニを連れてその場から消えた。





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