StoryA
□We Can Wait Forever
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夕食後の談話室。
暖炉のそばにアンジェリーナがいるのを見つけて、フレッドとジョージとリーはいつも通り三人並んで声をかけに行った。
「「やあ、アンジェリーナ」」
リ「本を読んでるの?」
ア「えぇ、今度のレポートのためにね」
アンジェリーナは一旦本を閉じて、目の前に座った三人に目をやった。
そしたら案の定というか、フレッドとジョージがいつも通り隣同士だったので、アンジェリーナは普段から気になっていた疑問をぶつけてみることにした。
ア「フレッドとジョージって、いつも二人でくっついてるわよね」
フ「今更何言ってるんだ」
ジ「当たり前だろう?」
「「俺たちは二人でひとつだからな」」
ニヤっと笑って得意げに答えたフレッドとジョージに、アンジェリーナは首を振って「違うわ」と言った。
ア「そういう意味じゃなくて、二人の間には誰も入れないわよねって言いたいのよ」
リ「あぁ、ほんとだ。言われてみれば俺も真ん中を歩いたことないな、いつも一緒に行動してるのに」
ア「でしょ?さすがに何年も一緒にいてたったの一度もないなんて、ちょっと不自然じゃない。だから、何か意識してくっついてるのかと思って」
アンジェリーナとリーが答えを求めるように二人に視線を向けると、フレッドは唇を噛んで黙り込み、一方のジョージは切なげに苦笑を浮かべた。
ジ「気づかれるとは思わなかったな‥‥なにしろ俺たちも、最初の頃は無意識だったから」
フ「おい、ジョージ」
何かを話そうとしたジョージを咎めるように、フレッドが彼の肩を掴んで強く睨んだ。
その表情は普段のおちゃらけた笑顔からは想像出来ないほど鋭くて、アンジェリーナとリーは自分の目を疑った。
睨まれた本人であるジョージは、少しも怯んでいなかったが。
ジ「いいだろ、フレッド。この二人になら話したって大丈夫だ」
フ「‥‥‥‥‥勝手にしろ、」
了承はしたものの自分の口から何かを語る気はないのだろう、フレッドは他の三人から顔を背けて頬杖をついた。
ジョージはまた苦笑を浮かべつつもアンジェリーナとリーに向き直ると、ふぅ、と息をついてからゆっくりと話し出した。
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