StoryA

□Say I Love You!
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〈 Hermione side 〉




夕食後の談話室、暖炉の前でチヒロとハリー、ロン、私の四人で談笑しているところにフレッドとジョージがやって来た。二人はにやにやしながらチヒロの両隣に腰を下ろす。

あら、でも二人ともチヒロの隣に座るならさっきのあれは何だったのかしら。入り口付近でジャンケンをしてからこっちに来たみたいだったけど。




フ「やあみんな」

ジ「ちょっとゲームをしないかい?」

『ゲーム?』

フ「あぁ、とっても面白そうなのを見つけたんだ」

ジ「その名も、」

「「愛してるよゲーム!!」」




二人によると、円になって順番に左隣の人に「愛してるよ」と言うだけの単純なゲームらしい。ただし笑いはなしで真剣に。

言われる側は3回まで「もう一回言って」や「今なんて?」と聞き返すことが出来て、その間に照れたほうが負け。両方とも照れなければ次の人へ進むらしい。




ジ「つまり、ハーマイオニーはロン、ロンはフレッド、フレッドはチヒロ、チヒロは俺、俺はハリー、ハリーはハーマイオニーに愛してるよって言うんだ」

フ「愛してるの言い方は笑いさえしなけりゃ何でもいい。アレンジは自由だ」




なるほどね、さっきのジャンケンの理由がわかったわ。どっちがチヒロに愛してるよって言ってもらえるか勝負してたのね。勝者はジョージだったもの。




フ「チヒロ、」

『なぁに?フレッド』

フ「愛してるよ」

『えっ、待って、もう始まってるの?』

フ「始まってるもなにも、俺はいつだって君を愛してるさ」




フレッドは左腕でチヒロの肩を抱き寄せて、右手でチヒロの頬を優しく撫でた。

まったく、どうせフレッドもジョージも理由をつけてチヒロに近づきたかっただけでしょう。回りくどいことするくらいなら、さっさと告白しちゃえばいいのに。




『も、もう一回、言ってほしいな』

フ「君が望むなら何回だって言ってやるさ‥‥‥愛してるよ」

『‥‥‥もう、一回』

フ「愛してるチヒロ。君以外の女の子なんてもう目に入らない。俺だけのものになってくれ」

『もっ、もう無理‥‥!』

フ「どわっ!」




チヒロは思いっきりフレッドを突き飛ばして、真っ赤になった顔を両手で覆った。

よっぽど強い力だったのか、床に倒れ込んだフレッドはなかなか起き上がらない。なんだかいい気味ね。さすがチヒロ、私の自慢の大親友だわ。




ロ「ねぇ、これってチヒロの負けってことでいいの?」

ジ「えぇ!?そこは耐えてくれよチヒロ!せっかくジャンケンに勝ったのに!」

グ「あらジョージ、やっぱりチヒロの左隣を賭けてたのね?」

ジ「‥‥あ、」

ハ「賭けてたって?どういうこと?」




ハリーに見つめられたジョージがあははは、と笑って誤魔化しているうちに、チヒロが私の左隣に避難してきた。つまり、私とロンの間。




『私はハーマイオニーに愛してるよって言われたいわ。だからこのポジションでもう一回しよ!』

「「なんだって!?」」

グ「チヒロってば‥‥‥なんて可愛いの!」

「「このっ、ロニー坊やめ!」」

ロ「えっ、ちょ、なんで僕!?」




私がチヒロを抱きしめている横で、双子のとばっちりを食らったロンが、魔法で出した紙くずをぶつけられていた。

変身魔法じゃなかっただけマシね、と思った途端ロンの身体が光に包まれたのは見なかったことにするわ。





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