私の指先の魔法〜ミルス・クレア〜

□はじまりの森
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「あなたが‥森に棲まうヒトの形をした精霊さん?」



赤い魔女はわたしを見下ろして優しく微笑む



「これは‥‥また変わった魔力を感じるのう。」




そしてその隣でよく似た顔の小さい魔法使い。





「あら‥‥いけませんわね、貴女服を着てらっしゃらないではないの。」




赤い魔女はそういうと美しい杖を一振りしてわたしに葉や花でできた服を着させる






「‥お嬢さん、あなたのお名前は?」




わたしはそれに答えられるはずもなくただただ地面に座り、赤い魔女を見上げた。




そう、わたしには名前がない。



だからわたしの右手を取り優しく微笑みかけてくれる赤い魔女を見つめることしかできない。




「あなたには名前がないのかしら?」



そう言われ、大人しく頷けば、小さい魔法使いと彼女は見つめ合い、わたしにまた優しく微笑んでくれた。





「‥わたくしたちとおいでなさい。


あなたに素敵なお名前をプレゼントさせてちょうだい。」



赤い魔女はそう微笑むとそっとわたしの瞼に手をかざした





「【セシリア】」



















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