はたけ家族の物語

□告白
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告白

あぁ、どうしよう、先生になんて説明しよう。
出来ちゃったってば?
先生パパになったってばよ?
ああぁぁぁあああ!!どう説明しても混乱しか生まれねえ気がする!!
すると先生が帰ってきたのか、玄関の扉が開く音がしたと同時に、急いでこちらに向かってくる足音がした。

「ただいまナルトっ、今日病院行ったんだって?サクラから聞いたよ。でも結果は教えてくれなくてネ。どうだったんだ?」

先生、少し息が切れてる。
急いで帰ってきたんだ。
サクラちゃんは先生に言わなかったんだ。
俺の口からちゃんと言わせようとしてるんだ。
でもサクラちゃん、俺ってば怖いよ。
再不斬やペイン、カグヤと戦った時よりも、怖いってばよ。

「ナルト…?」
「せ、先生、あの、さ、俺ってば」
「ん?」

俺を安心させるように、先生は俺の頭を優しく撫でる。
ドクドクと心臓がうるさい。

「俺……赤ちゃん、でき、た…」
「………え?」
「ふ、双子、だって…」

俺の頭を撫でる手が止まる。
困惑しているんだろう。当然だ。

「誰と、誰の…?」
「先生と、俺の…」
「ほ、ほんとに?ドッキリとかじゃなくて?」
「ほんとだってば。なんか、九喇嘛のチャクラが俺の体に影響を与えたとかなんとかで……」


どうしよう。
先生固まってるってば。
やっぱり、気持ち悪いよな…。
男に子供が出来たなんて。
そもそも先生、子供、好きなのかな。
もし、嫌いだったら。
大丈夫、大丈夫だってば。
お前達は、俺が守ってやるからな。
俺1人でも、生んで育てるからな。
先生に拒絶されるのは怖いけれど、先生が嫌だって言うなら、受け入れるってば。
嫌な考えだけが、頭の中をグルグルと回る。

「ナルト」
「っ!」

不意に呼ばれてビクリと身体が揺れる。
やっぱり、怖いってばよ。
あぁ…短い結婚生活だったってば。
先生、俺、先生のことずっと愛してるから。

「ありがとう」
「……へ?」

力強く抱きしめられた。
今度は俺が困惑した。

「ありがとう、ありがとうナルト。俺に、家族をくれて。俺にまた、愛するものをくれて、ありがとう」

先生の声はわずかに震えていて、抱きしめられてて顔は見えないけど、泣いてるみたいだった。

「生んで、いい、ってば…?」
「当たり前デショ!?生んでよ。まさか、俺に生むななんて言われると思ってたの!?」
「少し、考えた、ってば」
「そんなわけないデショ!?俺はナルトを愛してる!例えナルトから離れても、俺はナルトを離す気なんてさらさらないよ。ナルトが逃げても、どこまでも追いかけるよ」
「せんせぇ……ひっ、おれ、こわかった、てば。ひぐっ、もし、せんせ、に、いらないって、言われたら…どうしようって」

堪えていた涙が溢れてくる。
決壊したダムのように、止まらない。

「いらないなんて、言わないよ。俺にはナルトが必要なんだ。今までも、これからも。ねぇ、ナルト」
「?」
「もう1度言うよ、ナルト、俺に家族を、愛するものをくれてありがとう。必ず、俺とナルトと子供たちで幸せになろう。必ず、俺が守るから」
「せんせぇ…!!」

その後、俺は涙を止めるのにかなり時間かかって、でもその間、カカシ先生はずっと俺を抱きしめてくれていた。
赤ちゃん達、必ず、俺とカカシ先生が幸せにするってば。
たくさん、愛してあげるってば。
ちゃんと、守ってあげるってば。
家族を知らない俺に、カカシ先生が家族になってくれて、カカシ先生がまた家族をくれた。
上手く母ちゃんできるか分かんないけど、
俺ってば、頑張るから。
赤ちゃん達、元気に生まれてきてくれよな。


俺、はたけナルトは今日、母ちゃんになりました。
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