はたけ家族の物語

□心配
1ページ/1ページ

心配

俺の妊娠が発覚してから、カカシ先生はかなりの心配性になった。

「ナルト!お前は座ってていいから、重い物持たないの!」
「え、重くないってばよ?」

お盆に乗っけたお茶でさえ、お盆ごと取り上げられてしまう始末。

「ただでさえ初産で男で双子を生むんだから、ほんっとーに気を付けないと!」
「で、でもよーカカシ先生、そんなこと言ってたら俺、日常生活おくれないってばよ」
「じゃあ俺、子供生まれるまで仕事休む!」
「んな無茶なこと言うなってば!」

なんか先生キャラが微妙に変わったってば。
この前だって、クナイの手入れしてたら取り合えげられて、

『もし手が滑って落として刺さったらどうするの!』

なんて
さすがの俺でもそんなことしないってばよ。
てかこの歳にもなってそんなヘマしてたら任務できないってば。
もちろん今は産休で任務も行ってねーけど。

「ところでナルト」
「ん?」
「赤ちゃんの性別まだ分からないの?」

俺のわずかに膨らんだお腹を後ろから抱きしめる形で優しく撫でながらカカシ先生は問う。
現在妊娠5ヶ月目。
そろそろ性別が分かる頃だから次の検診で調べるって言っていたのを思い出した。
次の検査は来週。

「来週の検診でわかるってばよ」
「じゃあ俺も行く」
「えぇ?先生仕事はどーすんだよ?」
「それまでに全て終わらせておくよ。我が子の性別、一番にナルトと知りたいしね?
検診帰りにナルトに何かあったら嫌だし」

なんか先生って…。

「もしかして、赤ちゃんすげー楽しみにしてる?」
「ん?」
「だって、元々心配性なところはあったけど、赤ちゃんできたって知ってからさらに心配性がエスカレートしてるってば?だから先生、すげー赤ちゃん生まれてくるの楽しみにしてるのかなーって」
「もう、当たり前デショ?俺とナルトの赤ちゃんだもんね、楽しみじゃない方がおかしいよ。お腹の中にいる今でさえ可愛くて仕方ないよ」
「へへっ!先生ってば生まれる前から親バカだってば!」
「でも」
「?…んんっ、せんっ、ん」

お腹を撫でていた手が俺の頬に回り、深い深いキスを落とされる。
突然のことで俺は驚いて身体が強ばったけど、次第に力が抜けていく。

「…んっ、ふぁ、せんせ、急に」
「ん、俺にとっては、ナルトもたまらなく可愛いんだけどネ?」
「も、もう先生のバカ!って、え?」

ぐり、と俺の腰にかたいモノが当たる。
これはもしかしなくても。

「…せ、せんせ?」
「ンー、最近シてなかったからねえ?」
「だ、だめだってばよ?」
「わかってるよ、だから、ね?ナルト?
口でシてくれる…?」

耳でささやかれる低い声。
俺はこの声にめっぽう弱いのを先生は知っているからズルい。

「しょ、しょーがねえなぁ。で、でも夜になってからだってば!」
「ん、ありがとナールト」

結局その夜、口だけじゃ我慢できなくなったカカシ先生に俺は襲われて、次の朝つわりが酷くなった俺を、先生が慌てて綱手のばぁちゃんの所へ連れて行き、ばぁちゃんに説教されながら思わぬ形で少し早く性別を知るのだった。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ