はたけ家族の物語

□名付
1ページ/1ページ

名付

産まれたのは双子の男女で
先に生まれた男の子はカカシ先生にそっくりで、次に生まれた女の子は俺にそっくり。
赤ちゃんが生まれたからには、必ず必要なことがある。

名前だ。
親にとっても、その子にとっても、一生モノの名前。
決めるのはカカシ先生で、それはそれは悩んでいた。
その名前が今日ようやく決まったらしく、
にやにやととろけきった笑顔で娘を抱いている。
息子のほうはミルクタイムだ。

「それで先生?名前なんだってば?」
「うん、発表します。双子の名前は…」
「名前は?」

バサッ

目の前に習字で書かれた紙を広げる。
そこに書かれていた文字

『はたけ シズク』
『はたけ カナタ』

「シズクと、カナタ」
「うん、男の子がシズク
女の子がカナタだよ。気に入ってくれた?」
「うん、いい名前だってば。な?シズク?気に入ったってば?」

まだ到底言葉は分からないだろうが、大きな瞳で俺を見つめる。

「お前はどうだー?カナタ?パパがんばって考えたぞー?」

カナタも、じぃっとカカシ先生を見つめる。
すると

「んきゃあ」
「きゃ、きゃ」

「「笑った…!」」

初めて見た我が子の笑顔。
それはもう、天使の微笑みと言っても過言じゃなくて、俺もカカシ先生も骨抜きだってばよ。
こういうのを、親バカって言うんだなと思った。
シズクとカナタ。
これからたくさんの困難にぶつかるだろうけど、俺とカカシ先生も支えるし、たくさんの仲間が助けてくれる。
双子同士助け合ってほしい。
2人の明るい未来を信じて、俺とカカシ先生はシズクとカナタの額にキスをした。
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ