雪兎の足跡

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 案内されたのは階段横の奥一つ手前の部屋
 中はがらんとしていて唯一ベッドと小さなテーブルがある程度の殺風景な部屋だった

「ここが空き部屋だよ…っていうか、住むって本当なの?」

 怪しさMaxで尋ねられても困るが事実そうなので私は素直にうなずいた
 ツナはため息を一つはいて「まあ、さすがに女の子を追い出すわけにはいかないしね」と少し困ったように笑った
 あ、彼もこんな表情をするのか
 まだ一時間も満たない付き合いだが叫んでいる顔以外見ていなかったのでこんなにも柔らかい表情で笑うのはなんだか予想外だった
 少し驚いたが、なんだかこっちのほうが彼らしい気がする
 とりあえず私もありがとうといって笑っておいた

「そういえば、私のことは六花でいいよ。これから一緒に住むんだし気軽に呼んで」
「わ、わかった」
「にしても、六花。なんでこんなに急にツナに護衛なんてつけたんだ?」

 …リボーンの疑問はごもっともだった
 たが、実は私も詳しい話をされているわけではない
 九代目の超直感によってなのか学校でも家でも護衛できるようにと年の近い私を護衛によこしたのだ
 正直バジル君とかのほうじゃよかったんじゃないかという疑問も浮かんだし、せめて男を選んだほうがいいんじゃないかとか思ったけど九代目のことだから、きっと私である意味があるのかもしれない
 …なんて、私の憶測の域を出ないんだけど

「ま、そんなところかな」
「なるほどな…」
「あのー、つまりはよくわからないってことなの?」
 話に食らいつけていないらしいツナがおずおずと手をあげる
「九代目信じようってことで!」
「すっごいあいまいっ!?」
「でも、正直そうとしか言えないんだよね…ごめん、こんなんで護衛とか不安かもしれないけど、ツナのことは守るから安心して」

 とりあえず得意武器ではないが護身用でポケットにしまっていたメリケンサックを装備し、リボーンに向かって一撃を入れる
 もちろんリボーンのことだ
 意図を察し、どこから出したのかコンクリートを構えそれにすべてのダメージを吸収した
 それは、見るも無残に粉となりツナの頬をかすめてさらさらと風に乗って塵となった

「勘弁してくれぇぇぇぇぇ!」
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