雪兎の足跡

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Bersaglio U:襲撃


 ふわっと欠伸を一つつき、ぐっと伸びをする
 見慣れない部屋に、そういえば沢田家に来たんだったと思い出し早めに身支度を整える
 初めて着る服だがサイズはあってるみたいでよかった

「ちゃおっス」

 着替えがちょうど終わった頃、狙ったように声がかかる
 いつから部屋にいたのか
 振り返るとまだ何もない机の上にリボーンが鎮座していた
 仮にも女子なのだが相手は容姿は赤ん坊だ、私は我慢する

「おはよう、リボーン」
「ツナを起こしに行くぞ」
「え…」
「護衛なんだからそんぐらいしろ」
「り、了解」

 だから、私は仮にも女子なんだけど…と思いつつも相手にそんな言い訳が通じるわけもない
 はぁとため息をついて髪を結いあげる
 鏡を確認して「よし」と一声上げ、ひょいっと飛び乗ったリボーンを肩に乗せたまま部屋を出た

 そういえば、男子の部屋ってあんまり入ったことなかったなと入った後に思い出した
 今更遅い
 部屋は物が散乱していてお世辞にもきれいとは言えないが足の踏み場もないほどでもない
 男の子らしい雑多な部屋という印象だった
 そして、部屋の主はというと布団にホールドしながら大変幸せそうな寝息を立てている
 さて、どうやって彼を起こそうか…

「起きやがれ」

 と、思案し始めた瞬間
 ツナに素敵な蹴りを入れるリボーン氏
 あれ、私が起こしに来たんじゃなかったっけ

「げふっ」
「おう、ツナ大丈夫かい?…リボーン、気絶してるんだけど」
「だらしねーな」
「じゃなくて!私が起こしに来たんじゃないの!?」
「ついな」
「ついでやられてしまったボンゴレ十代目…」

 哀れなり、沢田綱吉
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