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□#3.
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名無しさんは倒れ込んだシュウを優しく抱きしめ、そのままふわふわと柔らかいシュウの髪を撫でた


「…どういうつもりだよ」


「なんか、…愛しくなっちゃって」


クスリと笑う名無しさんに構わずシュウはそのまま保健室のベッドへ身を投げ出した



「あ、…ちゃんと角もしっぽも消えてる、よかったあ…」


「これで消えてなかったら俺も大変なことになる。ところで

今日はもう授業でなくていいから、ここで休んどけば」



「え、あ…でも、」



シュウは寝転んだ自分の隣を掌で軽くポンポンと叩き名無しさんを睡眠へ誘った


「どうせ今日はそんなに授業も長くないし、何よりあんたも体、つらいだろ」


「あ、まあ…じゃあお言葉に甘えて」


名無しさんもシュウと同じ布団に潜り込み、甘えるようにシュウにくっついた


「うわ、あまりくっつかないでくれる、寝にくい」


「シュウ、さん、いい匂い〜…」


名無しさんはシュウがいつの間にか着ていたセーターにすんすんと鼻を擦り匂いを嗅ぐ


「そんなこと言ったら、あんたのほうが…

甘くて美味そうな匂いがしてる」


お返しと言わんばかりにシュウはすんと鼻を鳴らし、名無しさんの首元に顔を近づけた


「帰ったらたっぷり

頂かないとな…」



そう呟いたシュウは直ぐにすうと寝息を立て眠ってしまった



そして名無しさんも後を追うように深い眠りについた
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