進撃のリヴァイ
□第1話 悪魔の帰還
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ステラが、食事が終わって部屋で寛いでい
ると扉を勢いよく開いた。
嫌そうな顔をするが、ちゃんと返事をする。
過去に無視したら扉をぶち蹴られた。
「おぃ」
「はい。…あのー…一応私も年頃の19歳なんで、ノックとかして頂けませんか?」
「お前にノックする労力が無駄だ。」
「ッ…あの、なんですか?」
「明日の会社の謝恩会…お前も出ろ。」
「えぇ?!嫌ですよ…だってあーゆーのは部外者立ち入り禁止なんじゃ?」
「…社員の身内や兄妹なら問題ねぇ。」
リヴァイは漫画を取り上げて、
ベッドで寝転ぶ彼女の腕を軽々ひねり上げて起き上がらせる。
痛いように見えるが、手加減はしている。
ムクリと起き上がり意地になって拒否する。
「お断りします。…姉とかオルオとかリヴァイ軍団にいかにアンタがすごいとか、かっこいいとか散々聞かされて終わる会なら」
「紹介してぇ奴がいる。」
「え?誰ですか?」
「……。」
「ま、まさか恋人ですぐぼ」
軽く頭をひっぱたかれる。
リヴァイは眼光鋭く睨みつける。
【なぜ気づかないのか、この馬鹿が、】
と悪態を付きながら。
ステラは反抗的にリヴァイの手を振り払い、
首を横にする。
本当に行きたくなかった。
リヴァイの会社の連中は皆彼を崇拝している。
「嫌ですってば!!…正直に言います。お姉ちゃんがめんどくさいんですよ。」
「ペトラか。」
「はぃ…リヴァイさんが」
「アンタ…その次言ったら舌を刈り取るっていったよね。」
「ホラぁ…」
ペトラ帰宅。
オフィスカジュアルの服装で全体的に淡い色で統一した姿でおしゃれだった。
彼女はステラと容姿がよく似ている。
違うといえば、妹の方が眼がつり上がっていて瞳の色が違う位だ。
ステラはふらっと部屋を出ようとすると
姉に止められる。
「…」
「ちょっとどこ行くの」
「お姉ちゃんと話すとめんどくさい。」
「何よそれ。最近ずっと話してくれないじゃない。私何かした?」
「してない。」
「じゃあ何よ?言ってくれなきゃわからないでしょ?」
リヴァイもこちらを見ている。
姉もこちらを見ている。
大きくため息をつくしかない。
昔からリヴァイは何かと自分をいじったり話しかけてきたりしていた。
姉はずっと彼を慕い続けている。
板挟みは辛かったのかもしれない。
(もぅ…うんざりだなぁ…板挟みって。)
彼女はペトラにきつく言い放ってしまう。
「お姉ちゃんがいじいじしてるからでしょ!?!!」
「…?!ちょっと…ッ!」
バタン!!!
部屋は主が居ないのに二人おとなが佇んでいた。リヴァイは無表情で階段を降りる音を耳にしてペトラを見つめる。
ペトラは顔を赤くして、呟いた。
「リヴァイさん…明日、パーティーの合間にお話したいことがあります。」
きゃー!私ついに。告白。きゃー!!!
と、ペトラは意を決してリヴァイに伝えた。
この二人身長が、2cmしか変わらない。
黒髪の隙間からリヴァイの青灰の瞳はゆらゆら揺れている。
彼も一言。
「あぁ、分かった。」
主がいないのに妙な空気。
リヴァイはふと日本のお笑い芸人明石家さん●の巨大ポスターを目にして、躊躇なく破り捨てる。
【ファーー!!】
あの笑い方がリヴァイは気にいらない、
だがステラはお笑い好きで、中でも明石家さん●に小さな頃抱っこしてもらったことがあり、今でも崇拝している。
さて、どうなるのか。
妙な空気のまま第二話に突入。