進撃のリヴァイ
□第5話 突っ伏して、前へ
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ホテルの強盗事件から2週間が過ぎて、
世間は冬休みから、いつもの仕事モードに戻る。
ステラも新学期に入り、勉学に励んでいた。
今日は色覚についての授業を受けていたが、
彼女は全く身に入っていなかった。
あれから2週間。
リヴァイとは全く進展していない。
それどころか。
(…なんだよ。アイツ…あれだけアプローチしてきてた癖に……最近避けてるよな。もう、めんどくせーよ。)
ステラは先生の話を一生懸命、ノートPCとノートでメモを取っていた。
その昼休み。
ステラはぼんやりと。手作りのお弁当を食べていた。彼女の席に友人のジルという黒髪の少女と、銀髪の少女が向かい合い軽口を叩く。
ジルはバンギャルのような出で立ちだが、
赤のアイラインがおしゃれだった。
「何さ、何さどーしたの。」
「ステラは最近、ぼんやりしているな。」
イザベルはロングワンピースに、銀髪を三つ編みにしている。元々は少数民族の出身だが、世界を見たいと留学してきた。
ステラはだし巻き卵を飲み込んでから、
呟いた。
「いや、なんかもう。男心がわからん。」
「アンタ男できたの?!!」
あ。しまった。と、彼女は我に帰った時にはあとの祭り、友人二人に洗いざらい、
話すしかなく、事情を聞いたジルは大笑いした。
彼女はステラと違い、男性経験が豊富でよく把握している。
「ギャハハハ!…それはゴロツキさん大変だったよねぇ。ヤリたかったんじゃないの?」
「…ワタシも同感だ。」
二人に言われてステラは撃沈した。
自分だけ男性経験がないことを落ち込む。
でも、勉学もちゃんと頑張ってはいる。
そこそこだけど。
(…みんなが大人になっていく……)
するとステラはスマホを見ると、リヴァイからの連絡ではなくグンタ先輩からだった。
(…なぁんだ………ッ…って、私、萎えたよね。ウソ…)
自分の気持ちに頭を抱える。
それにアルバイトが休みになって、真っ直ぐ帰るしかない毎日が憂鬱にっている。
姉のペトラと鉢合わせるからだ。
新しいプロジェクトとかで、リヴァイもペトラも仕事が大変らしく、二人は長い事一緒にいるのがなんだか気に入らない。
(めんどくせー…なんだよ。なんで返事、ないんだろ。。)
見かねたジルが、彼女の肩を叩く。
「久しぶりに、週末ウチ来る?」
「いくいくー!」
と、ジルの問いにイザベルという少女とステラは頷く。
早速彼女は母親にラインを入れた。
「お母さん、久しぶりにジルの家に泊まっていい?…週末の土曜」
母親からの返事はさっぱりしている。
「いっといで。リヴァイくんとペトラから離れて息抜きしておいで。」
彼女はガッツポーズをして、楽しみにする
が。
自由の翼株式会社では。
リヴァイはタブレットを操作して、
HPを完成させ、取り引き先にメールをしていた。
紺のジャケットに紺のズボン。
ほぼ、毎日黒か、紺、たまなグレーで服がパターン化している。
ペトラはリヴァイのデスクに紅茶を出した。
「どうぞ。」
「…ちょうどいい頃合いだ。」
ペトラは白いブラウスに、薄い茶色のスカートに身を包み苦笑いする。
あれから、告白をしてはいるが、
リヴァイは全く返事をしない。
彼女はそれとなく尋ねてみるが。
「あの、リヴァイさん。……謝恩会でのお返事をお聞かせ頂けませんか?」
今、ペトラとリヴァイはオフィスに二人きりだった。彼は紅茶を一口飲んで彼女に目を合わせる。
リヴァイは目を閉じて、ゆっくり話す。
「………後にしろ…終業後に伝える。予定を開けておけ。」
「は、はい!」
ペトラは慌てて頭を下げて、自分の持ち場の仕事に戻る。
バレンタインに向けて、ケーキ屋さんのロゴのデザインを任せれいる。
ちらりと、リヴァイを見てはあこがれる。
好きな人と同じ職場で、ペトラは幸せを感じている。