進撃のリヴァイ

□第5話 突っ伏して、前へ
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話は変わり、日曜の朝。
ステラはジルとイザベルと三人で寝ていた。

彼女は目を覚まし、テーブルの手紙を
掴んで改めて読んで見る。


「これ……読まれたらアウトじゃん。」


手紙には昨日悪ノリして書いたリヴァイへの手紙だった。

(リヴァイさんへ……畜生このタコ野郎。)


これは駄目だろ。とは丸めてゴミ箱に捨てた。彼女は未だに悩んでいた。

リヴァイがあの後姉とどう伝えたのか。
それとも断わっていないのか、
寧ろ自分は遊びなのか。
不安になってきた。


(……あぁ、不安だな。…あっちもそうなのかな。)


ステラは雨が降る部屋を見つめる。
彼女はスマホを手にして、
リヴァイに正直に聞いてみた。

「これで、どうかな。」


独り言も消えゆく朝の7時..
。彼女のラインはリヴァイの一人で住む自宅に届いた。リヴァイはバイブで目を覚まし、
スマホをぼんやりした顔で見つめる。

彼女からだった。
文面を見て、はずかしいが高鳴ることを
自覚した。

「リヴァイさん、会いたいです。」  


それだけ。
それだけの事で喜んでしまう。
彼は舌打ちをする。
ベッドに腰掛けて、スマホを握って
息を漏らす。


「ッ…馬鹿が。」

シンプルな文面だったが、
それゆえにリヴァイに、響く。

彼は返事をした。

ブブッ…と、ステラのスマホが鳴る。
彼女はリヴァイからの返事に体を起こす。


「この馬鹿が。」

「忙しいと思って返事しませんでした。…心配かけてごめんなさい。でも、私も不安でした。」


リヴァイはこれを見て、
すぐに、返信した。

「これからは毎日しろ。」

そして、ステラ。

「わかりました。…リヴァイさん。
私は性欲があっても大丈夫です。」


いきなりどストレートに投げてきた。
ジルから男というものはそういうものだと
習ったからだ。

リヴァイは瞬きをし、指が動く。


「抱かれても、文句はねぇのか。」

「異議は唱えさせてください。いずれということで認識しています。覚悟はしています。」

彼はこう伝えた。

「ペトラには断った。」


ステラは少し間をおいてから返事を返す。

「そうでしたか。…お姉ちゃんにも全然会わなかったので、聞いていませんでした。
私も伝えるつもりです。」


リヴァイは彼女に問い詰めようとしたが、
直接会いたいと伝える。

「今日は会えるか。」

ステラは頷く。
指が動く、弾む。揺れる。

「会えます。…お昼過ぎですけど。」  


リヴァイは柔らかい表情に変わり、
「分かった。」と、返事をしてベッドに仰向けになる。

「恋」なんてめんどくさいものは、
本当にめんどくさかった。
たが、悪くないと思える。

そして、リヴァイのスマホにリコからのメールが届き、彼は舌打ちをする。


「リヴァイ…ケニーがホテルの強盗事件に関与している可能性が出てきた、……イアンは事故じゃない。奴らの傘下の密輸組織のメンバーに襲撃された。」 

そして、こう記されていた。


「国を上げて依頼することになりそうだ。……頼むぞ。調査兵団。」


彼は目付きを一変させ、
エルヴィンに電話をかけた。
早起きなのか、すぐに出た。
 

スマホには自由の翼が。


「エルヴィン…仕事になりそうだ。」

「そうか…皆に伝える。」


エルヴィンは黒いスマホを握り、
立ち上がる。

彼は微笑む。
あぁ、高鳴るな。と、寝てるコーギーを踏みそうになったから、足を広げるが。

自由の翼株式会社には
もう一つの顔がある。

それはまた別の機会に。


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