進撃のリヴァイ

□第7話 ハンジとモブリット
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因みにステラはまだナナバが女性か男性かはあまりわかってない。
ミケも鼻をスンスンさせるも、リヴァイを見つめて忠告する。


「何をそんなに急いでる。」

「うるっせぇな。……ッ」

「フッ」

ミケが鼻で笑うと、ナナバが翻訳のようにすらすらと喋る。この二人も付き合いがながく阿吽の呼吸だ。


「リヴァイはずっとこの子の傍に居て我慢してきたからね。…もう、我慢がならないんだよ。…ステラ…大変だと思うけど、自分の気持ちは殺さなくていいよ。」


優しく言われて戸惑ってしまう。
リヴァイは照れくさいのか、そのまま背中を向けて歩き初めてしまう。

この二人は何かと茶化してくるのか、
めんどくさいのか彼はちょっとやりにくいようだ。

(………私の気持ち………押し込めすぎて何から言えばいいのか…。)


リヴァイの事は好きだ。
でも、まだ芽生えたばかり。
いきなり結婚と言われてもピンと来なかった。

正直にリヴァイに伝える。

「リヴァイさん待って下さい。」

彼は歩みを止める。
傍に見守るナナバとミケ。

「…すぐに結婚とか考えられません。……まだ、リヴァイさんと色々一緒にやりたいこと沢山あります!…い…い、色々私に教えてください!」


色々教えてください!
教えてください。あなた色に染めてください!←言ってない。
※エコー

リヴァイさんは何かに覚醒めたのか、
眼がギラッと瞬いた。
「あ、やべぇ。」と、ナナバとミケは悟るような表情を浮かべる。


(……あぁ………素直なんだから………。)

ミケは思わず「ブッ…」と吹き出してしまい、ナナバが思わず黙らせる。

それを聞いたリヴァイさんは、無言で彼女に近づきミケとナナバに目配せし言った。


「……悪くねぇ。……いいだろう…。お前等も聞いたな。」

「え?…え?え?ちょ、何か言いました?」

「…ステラ……ッ。リヴァイやる気になっちゃったよ。」

「な、なんで?」


主人公わかってない。
彼のような人間にはこの手の言葉を聞いたら大好物だろう。

解釈が歪んでいるのか、理解がこうなる。

(…私の全てをあなた色に染めてください。)

と、聞こえてしまう。
リヴァイさんは彼女の耳元で囁いて、ステラを仰天させる。


「お前が選んだ事だ。…色々教えてやる。」

「…え、それは……暗殺の仕方ですか?」


的外れの回答を真顔で言われて、リヴァイは主人公の頭を全力で叩いてしまう。

シュパン!!と、鋭い音がなって彼女はその場に崩れる。
ナナバが、駆け寄り宥めてくれる。

無表情だが嬉しそうなリヴァイと、ミケはそれを見て鼻で笑う。
彼に向かって、言った。


「リヴァイ…せいぜい頑張れ。」

「ッ…。」


鈍い位が面白く、あんな言葉を聞いたらリヴァイは楽しくなった。
身も心も、自分のモノにしようとより強く決意されてしまったようだ。

ただ、主人公はまだ芽生えたばかりの気持ちを育てることも大切だと考え直す。

(…………めんどくせぇが…アイツは悪くねぇ。)


ステラが可愛いのだろう。
彼はより深く、激しく彼女を愛していくのだろう。


北極星が瞬いた。
痛がるステラは頭を押さえたまま、自分がいった言葉の重さをまだ、知らない。

身も心もあの男に焼かれないか注意が、必要だ?


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