進撃のリヴァイ
□第2話 謝恩会
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ペトラは青系のドレスと白いジャケットを羽織って、清楚さと可憐さが引き立つ。
いきなりの姉の登場でステラは頭が混乱した。
「あ、ぁあぁ。お姉ちゃん…誰を殺しにいくの?」
「ごめん。緊張してて。」
「だよね。」
めちゃめちゃ怖い…。ハンジと二人で思った。今からペトラは一世一代の告白をするべく燃えているのだが、誰か殺りに行く顔をしている。
肩を掴まれ、思わず悲鳴を上げる。
「ヒッヒィイイ…」
「ステラ…今までごめんね。…私がリヴァイさんに、告白しないかはやきもきしてたんだよね。…私に勇気がなかったの。」
「う、うん。」
「勇気をくれてありがとう。いってきます…。」
頑張ってね…と手を振るが、ステラはハンジと顔を見合わせる。きょとんとハンジは笑いかける。
「すごかったねぇ。こぇ〜。」
「16年越しですよ。長かったなぁ…」
「もっと拗らせてる奴知ってるよ。」
え?と、ステラが首を傾けるとハンジは黒髪の男を思い出す。
それはワインをまるで水のように飲み干すリヴァイだった。全く顔色が変わらないので、
隣にいる社長のエルヴィン・スミスから
たしなめられる。
「ペースが早いぞリヴァイ。」
「うるっせぇな…こんな会早く終わらせろ。」
「そういうな…お前の帰国祝も兼ねてるんだ。」
エルヴィンは紺のタキシード姿で大変決まっている。そして、ワイン片手に香りを楽しんでいると、ステラとハンジの姿を見かけた。
そして。
「久しぶりに見たが、見違えたな。」
「…避けやがる。」
「お前とペトラの板挟みに16年悩み続けてきたんだろ。そろそろ終いにしたらどうだ。
」
「初恋拗らせて独身貴族ぶってるテメェに言われたくねぇな。」
酷い…ちょっと酷過ぎないか?…
エルヴィンは顔色一つ変えずに、
ワインを1杯飲み干す。
離れた場所で、
ハンジのドレスの胸パッドの位置を確認する。割りと豊満なバストに思わずモミモミしてしまい、ステラは「すみません。つい。」と、謝るがハンジは気さくに「いいよいいよ?今度ステラのおっぱい揉ませてね。」と聞かれ彼女は困って笑う。
それをグンタさんが、エルドと談笑しながら聞いてしまい、ワインを吹き出す。
「…そうですね、小ぶりなんでご満足頂けるかどうか…ちょっと失礼…よし…これで大丈夫です!」
「大きくしてあげるよぉ?……ありがとうステラ。髪まできれいにしてくれて助かったよ、どう?いい女?」
「ハンジさん美人なんですから!何でも似合いますよ。」
ステラは楽しかったのかニコッと明るく笑う。すると、クソうざいアイツがシャンパン片手にやってきた。
芸人のスーツしにしか見えないオルオだ。
ストライプが大きくてチカチカしている。
遠巻きのニファという女性がオルオに注意した。
「オルオ!!!」
「おぅおう…なんだよ中学生がいるじゃねぇーか。あれ、…なんだよ。ステラかよ。」
「目障りだから、消えろ。」
散々な言われようだが、オルオはステラのお兄ちゃん的な位置だったが、今はうざがられている。
彼は上から下へチラチラと見て、
ケタケタ笑い出す。
「なんだよードレスねえからって、それ卒業パーティーの時のだろぉ?だっせーなぁ、俺みたいに垢抜けグッぽおぉあはあ」
無表情でステラはオルオの顔にハイキックを浴びせ、顔を真っ赤にして怒鳴った。
ドレスから短い黒い短パンが見えてグンタはドキドキが止まらなくって倒れてしまった。
「うるせぇええ!わかってんだよ!!」
ドタァン!!と、オルオが倒れると周囲は
静まり返って視線が一気に向けられる。
ハンジがオルオを担いでつぶやく。
「オルオが悪いよ。」
「…皆さん、申し訳ございませんでした。ちょっと失礼します…。」
青ざめた顔をしてステラは頭を下げて、
控室に戻っていた、ペトラはオルオに向かって平手打ちを重ねて気づかせる。
こっちの方が容赦がない。
「このバカ!!!ステラに謝りな!!」
「おぶ、へぶ、へぶおぼぅあ。」
な、殴りすぎだろぉ。と、オルオは眼を回しながら心でつぶやく。