進撃のリヴァイ

□第5話 突っ伏して、前へ
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そして、終業後に小さなカフェに二人は入っていて。リヴァイが借金とりで、ペトラが借金取りに脅される美人に見えている。


店員が紅茶と、コーヒーを二人に持ってきて静かに置いていく。

ただならぬ雰囲気に足早に去っていく。
革張りの椅子に二人は腰掛けている。


ペトラは俯いて、膝に両手を置き赤くなって尋ねる。

「あ、あの……」


「ペトラ……お前の気持ちはわかった。…
俺はお前の気持ちに応えるつもりはねぇ。」



リヴァイは面と向かってはっきり言った。
そして紅茶を独特の持ち方でカップを構えて一口含んでから伝える。

悪人面だが、決して冷たいわけではない。
彼はペトラの仕事ぶりも評価している。


「お前はよく働いている。……紅茶の入れ方も大したものだ。」

「あ、ありがとうございます。」



ペトラは16年の恋があっけなく終わり、
ただただ実感が沸かなかった。
目の前の男性は自分に向いていなかったことは前からわかっていた。

簡単には諦めなきれなかった。
ペトラは涙を拭って尋ねる。


「リヴァイさんが私に向いていないことは、分かっていました。……でも、諦めきれません。」

「…そうか。だがなペトラ……俺は今後もお前に振り向くことは、ねぇ。」

「他に好きな方がいらっしゃるんですか?」


リヴァイは眉間に皺がよる。
脳裏に一週間前のステラが蘇ってきて、
彼は瞬きを繰り返す。

彼女今も悩んでいて、ペトラに真実を話すのを避けたいと思った。
母親が言ったとおりだった。


「……あぁ……ッ…」

「それはどんな方なんですか?」


お前の妹だ。と、言えばペトラはステラを地獄のそこまでねじ伏せるだろう。
彼は淡々と答えた。


「…ペトラ、それは関係あるのか。」

「あります。ずっと好きだった人の好きな人はどんな人か気になります。」


諦めない、大きな瞳。
世間一般で見ても、ペトラは可愛い顔をしている。それでいて芯が強く周りから愛される。

リヴァイは口を開こうとした時、
オルオが後ろの席から声をかけてきた。

「ペトラ…その辺にしておけよ。」


後ろからオルオが身を乗り出してきて、
ペトラは一気に鬼の形相に変わる。
だが、オルオは決してめげない。

「アンタに関係ない。消えてよ。」

「大アリだぜ。…なぁ、ペトラよ。……お前、リヴァイさんの人生誰を選ぼうが、リヴァイさんの勝手だろ……詮索は無駄ってものだと思うがな。」

「ねぇ、その喋り方リヴァイさんの前でやめてくれない?本気で似てないから。」


リヴァイはオルオが援護射撃してくれたので、助かったと内心思った。
彼はペトラの前に白いハンカチを、出して一言侘びた。

それで、またペトラはリヴァイを諦めたくなくなる。

「…返事を待たせて、悪かった。…ふけ。」


リヴァイは立ち上がって、
コートに身を通し会計も済ませて先に帰って行く。ペトラが立ち上がるが、オルオが手を出して制止した。


ペトラは涙をあふれさせる。 
片思い歴だったら。オルオも負けていない。
ペトラとは赤ちゃん時代からの付き合いだが、それでも、ずっと片思いしてきてリヴァイより長い。


彼は最近仲直りしたステラとは、
話しをしていたのだ。
ただ、ステラはリヴァイに告白されたことは黙っていたのだが。


ペトラはカフェのドアを見つめ、リヴァイのくれたハンカチをずっと握りしめて呟いた。


「リヴァイさん…やっぱり好き…。」
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