短編小説

□幼馴染
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私とリヴァイは幼なじみだ。
地下街で育ち、エルヴィン団長に拾われ、調査兵団に一緒に入った。

「なーに、してんの!」
私はリヴァイの部屋にノックも無しに突然入った。

「おい。ノックぐらいしろ。びっくりしちまっただろうが」

リヴァイは何か隠す仕草をした。

「あ、なになに?何隠してんの?」

「なんでもねえ。さっさと持ち場に戻れ」

「え、花束?花束持ってたの?誰かにあげるの?」私はリヴァイの隠したものを覗き込んだ。

「てめえはほんとに…無神経な女だな」リヴァイは顔を赤らめた。


え…
顔を赤らめてる。
花束ってことは女の子にあげるんだよね。
リヴァイ、その子のこと好きなのかな…

「ふーん。女の子に上げるんだ」
私は無意識に拗ねたような口調で言ってしまった。

「なんだ。一丁前に嫉妬してんのか」

「別に?リヴァイなんて小さい頃から知ってるし弟みたいなもんだもん」

「お前の方が年下だからどちらかと言うと俺は兄貴だろうが」

「…………………」

「何拗ねてんだ、まったく」

リヴァイは私の後ろ頭を軽く叩いた。

「痛い。リヴァイのばか」

リヴァイは私を突然くすぐりはじめた。

「やめてってば…あははは」

リヴァイは昔してくれたみたいに私を後ろから抱きしめて、頭を撫でてくれた。

私が機嫌を損ねるといつもそうしてくれた。

「俺が女と付き合ったら嫌か?」

「別に…ただその子にばっかりかまって、遊んでくれなくなったら嫌だな」

リヴァイは小さく笑った。

「何よ」

「お前はほんとにバカで鈍感だな」

リヴァイは私の頬にキスをした。

「花束はお前にあげようとしてた。だから安心しろ」

「突然…何…え…」私は混乱した。

「お前は妹みたいなもんだから、話してたらいつも喧嘩になっちまうだろ。だから雰囲気変えようと花を用意したが結局変わんなかったな。




好きだ。俺の女になれ。拒否権はお前に無いからな」


リヴァイはギュっと私を抱きしめた。




「リヴァイのものになってあげてもいいよ…」

「素直じゃねえな、お前は」









fin
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