long (izo)

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甲板に出ると昼間の船には結構な額のお宝が積んであった様ですでにみんな馬鹿騒ぎをしていた。


「あ!来た来た!名無しさんー!こっちこっち!!」


ハルタに声をかけられ向かおうとすると急に走ってきた人に抱きつかれた。


「名無しさんーっさっきはありがとう!本当助かったわっ後で一緒に飲みましょう!」

「えーとルルさん?」

「水臭いわねぇ。ルルでいいわよ。」



じゃあとで!と嵐の様に去っていった彼女の後ろ姿をボーッと見ていたら


「相変わらずうちのナースはすごいねぃ。ほら呆けてないで行くよい。」


いつのまにか背後に立っていたマルコに見下ろされていた。よく見るとイゾウはすでに他のところで飲んでいる。


「あ、監視チェンジですか?」

「もう監視する必要ねぇだろい?ナース助けたんだってな。助かったよい。」


ニヤッと口角を上げて監視終了宣言をするマルコ。でも耳元で本の話はするなと忠告された。こくんと頷くと背中を押されて輪の中へと押し込まれた。
だいぶお酒も入り気分良くなってきた頃


「ねぇねぇ名無しさんは手配書で俺たちの顔覚えたんでしょ?異世界に居たのに物好きだよね。」


乾いた笑でごまかす。まあ、物好きなのは間違ってはない。


「ねぇ名無しさんちゃん。手配書みてて一緒に飲みたいって思った奴だれ?」

「そうだなぁ。ラクヨウ!」

「お!いいねぇ。飲みなぁ!」

「じゃあ仲良くなりたかった奴は?」


サッチのくだらない質問が次々と出る。


「一番興味があった奴!」

「うーん。ナミュール!魚人族って私の世界にいなかったから!今度海の潜り方教えて欲しいな。」

「あぁ。お安い御用さ。」

「名無しさんちゃーん。俺もいるからね?じゃあこっから本題!抱かれたいと思う奴!」

「マルコかエース!」


ヤバイ。即答してしまった。


「へぇ。初耳だよい。」

「なんでなんで??俺っちじゃねえの??」

「名無しさんっっな、な、な、」

「エース落ち着け。ただのゲームじゃねえかよい。本当に抱いてくれって訳じゃねえよい。」



さすがマルコよくお分かりで。そう言うとこがかっこいいんだよなぁやっぱマルコだよなぁ。


「名無しさん。全部声にでてるよい。面と向かって言われると俺でも恥ずかしいよい。」



ハッとなってマルコを見ると少し耳が赤い。周りはニヤニヤしててサッチだけ一人泣いてた。


「俺っちなんて別にどうでもいいんだよなぁ。かわいい妹が降ってきたのによう。」

「サッチはね、お兄ちゃんか親友に欲しいタイプ!甘やかせてくれそう!」

「お兄ちゃんかぁ。よし!今日は兄ちゃんが添い寝してやろう!」



キャッキャと馬鹿騒ぎしていると



「じゃあイゾウはどういうイメージだったんだ?」とエース。


そうだなぁ。イゾウかぁ。イゾウ。。。


「うーん。お姉ちゃん?」


「「「。。。ぶふっっ」」」



ゲラゲラとツボに入ったらしく爆笑していると銃声と共にサッチのリーゼントから髪がぱらりと少し舞った。


「イゾウーーーっ怖ぇーーよ!殺す気かよ!!」

「あぁ。酔ってて少し手元が狂ったねえ。次は外さねぇよ。」


あんなに離れてても聞こえてたみたいです。イゾウはいじっちゃいけないと覚えておこうと思った。


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