long (Marco)

□壱
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「ふうー!そっちに行かない!!」

「わんっ」



吐く息が白い。
いつもの様に愛犬ふうを連れて夜のお散歩。

どこからか梅の香りが立ち込める。
日中の暖かさは夜には影を刺し冷たい空気が立ち込める。

ふと空を見上げる。
住宅地から見える空は限られていて、明るいせいか星も少ない。


「明日も晴れそうだね」


1人呟くと一筋の眩い光が天をかけていくのが見えた。
街中で流星が見えるなんて珍しい。


また流れないかな。
そんな事を考えながら、天を仰ぎながら家路へと向かった。


「わん!わん!!」

マンションの部屋の鍵を開けようとしたらふうが吠える。
珍しい。どうしたのか考えながらも鍵を開け中へと入り、入り口の明かりをつけようとしたら



「・・・声を出すな。質問に答えてくれれば悪いようにはしないよい。」


突然、私は腕を引かれ拘束された。


ギリ。。。

「。。っ。。。」


痛くて、怖くて仕方がない。若い女の子ならここで泣いてるかもしれない。
。。。が、私は伊達に歳食ってない。


「。。。答えます。とりあえず、電気つけていいですか?」


冷静を装ってそう後ろに回ってる影に声をかけると


「電気??」
「??暗いと怖いし何も見えないので明るくしたらダメですか?」


否定的な返答がなく、拘束されていた両手のうち片方が解かれたので、肯定と捉え玄関にあるリビングの照明のリモコンを押した


後ろの男は部屋をぐるっと見渡し

「・・・女の部屋だったのか。怖がらせて悪かったよい。」

と、呟いたがもう片方の腕は掴まれたままだ。

「わんっ」
「あ、ふう。ごめんね。中に入ろうね」


犬を部屋に入れリードを外すと、いつものように部屋中を駆け回る。
いや、あんたの飼い主変な男に捕まったんだけど。そのマイペースさはなに??
そんな事を考えていたら

「。。。お前、俺が怖くないのかよい」

と、少し呆れたような声が上から降って来た。
その声の主を振り返って上から下まで見る。


「私、どこかであなたの事見たことある気がするんですけど、どこかでお会いしました?それに鍵かかってたのになんでうちにいるんです??」

「気がついたらここにいたんだよい。ここはどこだ。グランドラインのどの島だ?」


グランドライン?
なんか聞いたことある。。。


再度声の主を見上げてみる。


背が高い。そこら辺の男性よりはるかに高い。前を裸させたシャツから覗く、胸元には大きな入れ墨。和風なやつではなくタトゥーだ。
金髪の髪。襟足を刈り込んであるためかファンキーな。。。パイナップルの様な。。。


「パイナップル。。。って。。。あなたお名前は?」

「・・・マルコだ。」




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