long (Marco)
□肆
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マルコside
とんでもない一日だった。
ただ書類の山をひたすら処理して、サッチにコーヒーでももらいに行こうかと椅子を立った矢先に後ろから強い光が差し込んだ。
部屋なんか見えねえ。
全て光に消し去られたみてぇだ。
敵襲か!と覇気を飛ばすも気が付けば暗闇。薄らと見える景色はどこかの部屋にいることは間違いねぇ。
ただ、俺の部屋ではないのは明らかだった。
***
変な女に出会った。
能力者かと思い背後を襲うも、力がなさ過ぎだ。敵意もほとんど感じねぇ。
挙げ句の果て、飯を作るだ?なんなんだこいつ。
明かりをつけた部屋にみえた調度品は見たことがねぇ。
黒い四角い額縁からは映像でんでん虫の様にどこかの映像と音声が流れる。
昼飯を食いそびれていた俺に作ってもらったパスタは旨かったが、正直動揺はしていた。流れていた映像といい、この部屋といい、どこかの島ってレベルじゃねえなにかが違う。
名無しさんが言った言葉は信じられない言葉だった。
異世界だと?俺たちを本で知ってるだと???
見せられた絵本の様なやたらと絵が多い本には本当に親父を始めみんなが、俺が描かれていた。
残念ながら字が読めねえ。ワノ国っぽい文字な感じがする。
だが、なんとなく絵から受け取れるものがある。
名無しさんは俺たちの未来を変えたいと言い出した。
今朝までバカばっかしてやがるサッチが殺されるという。
そんな御伽話あってたまるか。
だが、この本には俺たちが描かれていて。。。本当に起こる未来なら変えたい。親父を亡くしてたまるか!!!
とりあえず、いつまでここにいられるか分からねえ。帰り方も検討がつかねえ。
ならば。
俺は今できる事をやろう。
来るか来ないかわからない未来でも、知っていれば何か変わるかもしれねえ。
俺はアニメと呼ばれていた物語をひたすら見入っていた。
「こいつ覇気も使えねえのかい。。。大丈夫なのか?」
ふと気付くと扉が開き、寝起き姿で若干呆れ顔の名無しさんがそこに佇んでいた。
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