long (Marco)

□伍
1ページ/2ページ

起きたらまさかのマルコはまだワンピースを観ていた。だいぶ内容も進んでいるっぽい。


「ちょっと犬の散歩に出て来ますね」


そう声をかけて愛犬ふうと散歩に出る。
私はいつも朝ごはんは食べないけど、なんか食べるかなと思い散歩がてらコンビニへ。

何個かパンを買って家に戻り、愛犬に餌を上げながらコーヒーを入れてテーブルにポットとマグカップを置いておいた。


スーツに着替え化粧を済ませてテレビに食いついているマルコに声をかける。


「すみません。私仕事に行くのでこのままお留守番頼んでもいいですか?テーブルにパンとコーヒー置いておきました。」

振り返ったマルコの眠そうな瞳がちょっとだけ大きく開いて

「ここでは女も仕事にでるのか?」

「独り身で仕事なかったら生活出来ませんよ。夜には戻ります。寝らなら隣の部屋のベッド使ってもらっていいからね。」

「よい」

またこの返事。
いいのか悪いのかよくわかんないけど、仕事もあるのでそのまま家を出て駐車場に停めてあった車に乗り込みエンジンをかけた。





***



○ニクロに来ている。
昨日マルコの素人採寸はざっくり出来ていたので、とりあえず外出出来る様にと一着ずつトレーナーや、シャツをカゴに放り込む。まだ寒いのでライトダウンもいるかな。後下着は何着か買ってしまえ。
サイズが合わなかったら返品しようと思いながらズボンだけはあの背丈を思い出し手を伸ばさずに会計を済ました。


時間がないので今日の夕飯は外に出つつズボンと靴の購入かな。そんな事を考えながら車を家へと走らせた。



***



「ただいまー」
「わんっ」
「よい。」



あ。返事が一つ増えている。
ちょっとだけ嬉しいような、よいってなんだとおかしくもなって思わず笑ってしまった。

テーブルのパンは無くなっていた。コーヒーも飲んでくれたのかな?


「ごはん少なかったですよね?ごめんなさい。明日からはお休みだから平日どうするか考えるね。」

「いや、気にするなよい。あれから寝落ちしてたから大丈夫だよい。それよりなんだその荷物」


「サイズがあうかわかんないけど、その格好じゃ外に出れないからこれに着替えてもらえるかな?ズボンは買えてないからこれから買いに行こう!」



別にいらないというマルコを無理矢理着替えさせた。かなり大きなサイズでギリギリ着れる感じ。やっぱ大きいなぁ。


「名無しさんありがとよい。下着もあるのかよい。。。」

「同じパンツ履き続けるの嫌でしょ?履けそう?小さければ返品するけど」


買ってきたトランクスを広げてみてるマルコは「大丈夫だよい。ありがとよい」と照れた様に口元を緩ませた。


「じゃあ、ダウンも着てね。ズボン買いに行きがてらご飯食べに行こう!」



.
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ