long (Marco)
□陸
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テーブルに買ってきたお惣菜を温めてから並べて、呑む。
テレビからは昨日に引き続きワンピース。かなり進んでる。。。気になってマルコに聞いてみた。
「マルコ、ちゃんと寝た?」
「ん。寝たよい。」
「いや、ほとんど寝ずにこれみてるんじゃ。。。」
続きが気になってねぃ。と、悪びた様子のない返答。
今日はローテーブルにして絨毯の上で座りながら呑んでいる。
マルコは大きめなビーズクッションが気に入ったらしく1人でそれを占領している。
買ってきたジンはもうすでにマルコによって1本空いていて、残るはグラスに注いである分のみ。
「日本酒も飲んでみる?」
「ニホンって言うのはここの地名だっけか?」
「国名ね。国の水の美味しい地域各所で作られてるの。そもそも、日本は水道の水も飲めるし水には恵まれてる国なんだよ」
簡単に国の説明をしながら、冷蔵庫から冷えた冷酒を取り出した。
この国の蛇口を捻って出た水はほぼ飲める。と説明しながら小さめのグラスに冷酒を注いで渡すと
「水が豊富って事はいいことだな」
マルコはグラスを受け取り、すんっと冷酒の匂いを嗅いだ。
「あぁ。澄んでて良い酒だな。」
口元を緩めて紡いで出てきた言葉に、私の国が褒められている気分になった。
「マルコの世界って本当にこんな感じなの?」
液晶から映し出される映像を指して問うと
「ああ。よく出来てるよぃ。そのまんまだ。」
元々細い目元をさらに細めて呟いた言葉は、慈しみながら故郷を観ているようだった。
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