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□エスコート
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俺っちの最近の楽しみの一つ。

それは名無しさんちゃんが食堂に来る事。
最近家族になった名無しさんちゃんはいつも美味しそうに飯を食う。 
それを見てるのか嬉しくて仕方がねえ。


名無しさんちゃんのために今日はなにを作ろうか?
野郎しか乗ってなかった時には考えなかった思考。

だってよ。
あいつら肉と酒と量だけありゃ文句言わねえし?
さらに引き換えあの子は。。。


「サッチー!お腹すいたーっ」

「おーー!今日はサッチ様特製のふわとろチーズオムレツだ!」

と、得意げに出してやれば。

「ん!めっちゃ美味しい!!中に入ってる野菜なに?」

「ふわふわのトロトロだあ!見た目も綺麗だよねー。もうサッチ天才!」


こんなに褒めてもらえると嬉しくて口角が上がりっぱなしだっつーの!


「サッチはいい奥さんになるね!」


んん???
どういう事??



「名無しさんちゃん、あのさ。野郎に向かって奥さんはねぇんじゃない??」

「だって、毎日こんなに美味しいご飯食べれるんだよーっ私が男だったら絶対に嫁にもらう!!」


なんだそれ。
褒められてるんだか、けなされてるんだか。。。


微妙な顔をしていたら


「それにサッチは強いし!いい奥さんになるよ!」


うんうん、とうなずきながら一人で納得してるっぽい。


うーん。じゃあ。。。


「じゃあ、試しに俺の夫になってみる??なんでもしてやんよ?」


掃除洗濯も出来ねぇ訳じゃねえし?
腕っぷしは悪くねえし。
それに。
それにね。


「夜のご奉仕も最高なはずよ??」


名無しさんちゃんの耳元で囁くと真っ赤になりやがった。


んーー。たまらん。
可愛いすぎる。


「でも、どっちかというと女役より男としてもらって欲しいんだけど。だめ?一回試してみない??」


カウンター越しに誘ってみる。
半分はノリ。
半分は本気。


「そしたら私がサッチにご奉仕しなきゃいけなくなるじゃん。」


もう。上目使いでそれは反則!!
どんなご奉仕してくれるのかつい想像しちまう!


「ご奉仕しなきゃいけないかどうかも試してみなきゃわかんないだろ?お姫様のエスコートは任せろよ!」


食事以外で名無しさんちゃんと一緒にいれる日もそう遠くない。俺っちが本気だせばね。
そんな想いを乗せておでこにキスを落とした。




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