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□終わりは、君にあげる
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晴れ渡る空に鱗雲
温かな陽気に気持ちいい海風


どこまでも海は青くて
空の青と海の青が重なり合う



「何見てんだよい」

「青が綺麗だなぁって思って」



背後から聞こえる声に振り向くことなく答えると、背後にいる人物がフッと笑った気がした



「青が好きか?」



私を捉えるかのように両サイドの手摺りにマルコの手が置かれたから
振り向き顔を上げてその顔を見る


「好きだよ。海の青も空の青も。マルコの色だもの」


視線が絡まると
マルコはニヤリと口角を上げた


「俺の色ねい。初めて言われたよい」

「そうなの?マルコって青ってイメージだけどな」


手摺りを掴んでいたはずの手がいつのまにか私の腰に回されて後ろから抱き込まれる形になる
マルコが少し屈んで私の頭にこんっと彼の顎が乗せられた


「俺が青ならお前は赤だねい。俺は赤が好きだよい。お前の色だからな」

「そっかぁ。赤だったかぁ。。。」


私の反応に巻きついていた腕がギュッと締まり


「なんだよい?赤が好きじゃダメだったか?」



うん。ダメじゃないし嬉しい理由だけどね?
今回ばかりはちょっと残念


私はマルコの腕の中でくるっと反転して向かい合うとポケットから小さな箱を取り出してマルコに見せた



「はい、マルコにあげる。赤じゃないけど」

「ん??なんだよい?」

「いいから開けてみて?」



マルコは大きな手で小さな箱を器用に開くと中にはブルートルマリンのペンダントヘッドが一つ
今つけているお揃いのプレートに合うようにと石のみのシンプルなデザインのものだ


「名無しさん!?これって」

「お誕生日おめでとうマルコ。10月のね誕生石は私いた世界ではトルマリンなの。石の意味は引き寄せと調和。良い運を引き寄せて今まで以上に隊長として調和が取れる人でありますようにってね」



マルコは私の顔を驚いた顔で見た後、じっと石を見つめてそれから私に箱を持ってる様に預けた後、自分のしているネックレスを外しブルートルマリンのトップをつけた


「名無しさん付けてくれるかよい?」

「うん。しゃがんでくれる?」


後ろ向きでしゃがんだマルコにネックレスをかける
付け終わって前を向いてもらうとマルコの胸元には赤い模様と石の入ったプレートとブルートルマリンの青いチャームがとても似合っていた


「似合ってるよ。この石ね見つけた時マルコだって思ったの。青と緑とが混ざり合ってて角度によって色味が違うの」

「俺はそんなに綺麗じゃねぇよい」

「綺麗だよ。マルコも不死鳥のマルコも」



そう言って綺麗なマルコの瞳を見ると吸い込まれてしまいそうで見惚れてしまう



「俺より名無しさんの方がよっぽど綺麗だよい」



そう言って私の唇はマルコの唇に塞がれた



「ありがとよい。大事にする」

「こちらこそ。生まれてきてくれて、出会ってくれてありがとうマルコ」



マルコがぎゅうっと抱きしめる腕に力を入れながら耳元で囁いた



「俺の方こそ出会ってくれてありがとよい。俺の最後で最高の女は間違えなくお前だよい。死ぬまで離してやらねぇから覚悟しろよい」




終わりは、君にあげる




happy birthday Marco!

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