long (Marco)番外編
□恋煩い
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う。。。
身体が重い。久々にやってしまった気がする。億劫な重い身体をなんとか起こし朝と昼ご飯の準備に取り掛かる。
キッチンから覗くとビーズクッションのあたりに布団と大きな塊。
最近のマルコはちゃんと寝ているみたい。
働かない頭でベーコンエッグと味噌汁を作る。
あとは。。。こないだ買った魚でも焼いておこう。ご飯は昨夜タイマーで炊いてある。週末作り置きした煮物などがまだ冷蔵庫にあるからマルコ1人くらいならなんとかなるだろう。
「おはよい名無しさん。美味しそうな匂いがするよぃ」
「おはよう。。。マ。」
マルコ。と続けようとした言葉はさえぎられた。我ながら自分の酷い声にびっくりした。
「ひどい声じゃねぇかよぃ。風邪でもひいたか?」
マルコの大きな掌が伸びて名無しさんの額に当てると、寝ぼけ眼だったマルコの目がみるみるうちに見開かれた。
そのまま頬に、首に、ペタペタと手を伸ばされる。
「名無しさんお前、酷い熱だ!」
「ん?大丈夫。」
「じゃねえだろぃ!食事の準備なんかどうでもいいから早く寝てろ!!」
引っ張られながら自室のベッドに寝かされる。体温計はどこだと言われてのそのそと起きて取りに行く。寝てろと言われるけど口で説明出来ないのでこの際無視を決め込む。
ピピピっ
無言で「よこせ」と言ってくるのでゆるゆると脇から出すと自分で確認する前に奪われた。
「38.2℃か。薬は?」
「ない。。。後で病院行く。。。」
熱を聞くと具合が悪くなってきた気がする。とりあえず、会社に連絡をしてたらどこからか濡れたタオルを持ってマルコがやってきた。
「病院は何時からやってるんだよい?一緒に行くよい。」
冷えたタオルが気持ちがいい。
近くの診療所なら9時から空いていると答えようとして意識が落ちていった。
***
どれだけ時間が経ったのだろうか?
意識が覚醒しゆるゆると瞼をあけて見ると丁度マルコが濡れタオルを私に当てがっているところだった。
「具合は?」
「。。。いま何時?」
会話になっていない気がするが、それを気にせずマルコが時計に目を向ける。
「13時だ。まだ熱が高そうだねぃ。辛いところはないか?」
「ん。。。大丈夫。。。」
「大丈夫な訳ないだろい。病院に連れて行きたいが場所がわからないよい。」
「ん。。。午後は15時とか16時からしか開いてない。マルコはご飯食べた?ごめんキッチンにあるから温めて食べてくれる?」
呆れる様なため息の後、マルコはこう続けた。
「俺の飯の心配より自分の事だけ考えろよい。」
優しく撫でる掌がすこし冷たくて気持ちがいい。
マルコが何か言ってる気がするけど、聞き取れないまま意識が薄れていく。
「15時ぐらいに起こすからもう少し寝とけ。」
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