long (Marco)2
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ちゃぷん
仄暗い水の中にいる様なそんな感じ。
浮いているのか、はたまた沈んでいるのかわからない浮遊間。
わずかに漏れる光に吸い込まれるように私は意識をそこに持っていかれた。
***
どこかの部屋にいる。
私はこの部屋を知ってる。
小さい2DK。白い犬はふうだ。
「おはようい名無しさん」
逆光でその顔が見えない。
誰かが私に話しかける。
けれどよく知っているシルエット。
心地よい声。
ああ。私はこの人を知ってる。
私の大切な大切な。。。大好きな人。。。
ちゃぷん。
場面が暗転した。
冷たい。
けれど気持ちがいい。
うっすらと瞳を開けるとまたさっきのシルエット。
額に大きな掌があてがわれる。
「まだ熱が高いよい。苦しいか?変わってやりてぇよい。こんなちっこい身体でよい。。。。名無しさんちゃんとそばにいるからゆっくり寝てろ。」
何か私がシルエットに向かって言うと顔は見えないその人が優しく笑ったのがわかった。
頬を撫でる手を知っている気がする。
この手は誰の手なの?
ちゃぷん。
また場面が暗転する。
「***ただいまー。今ごはん作るね。」
「おかえり名無しさん。疲れてんのに悪いねい。じゃあ俺たちは散歩に行くかよい?」
「わふん!!」
「簡単なのになっちゃうけどいい?あ、お酒切れそうだからコンビニでこれで買ってきてもらっていい??」
「ありがとうよい。じゃあ行ってくるよい。」
私、この人と一緒に暮らしてたんだ。
でも。
でも。
貴方は誰?
ちゃぷん。
このシーンはなんだか最近な気がした。
綺麗な女の人。
あぁ。たしかサラシアさん。
「ーーーーーーーーー」
なんであの人とキスをしてるの?
ああ。またババ引いちゃったのか。
私は2ndでいつも本命になれない。
スラッとした手足なのに豊満な胸。
綺麗な長い髪。
私が男でもすぐ好きになるよ。
あの手で彼女を抱きしめて何を囁いてるのか、影になっていてその表情はわからない。。。
私にしたみたいに、いや、私に向けた以上に笑いかけてるのかなあ。
チクリ。
胸の奥が痛くなる。
あの人は誰なんだろう。
あの人は私の。。。何?
さっきまでの水の中の感覚がなくなった。
ただただ、冷たくて暗い空間。
ぞわり。
背筋から嫌な感覚が蘇る。
目を開けると黒い男の人が私に覆いかぶさっている。
顔なんてわからない。
しかも一人じゃない。
身体を気持ち悪い舌がはう。
その度に気持ち悪い感覚が蘇る。
身体を掌が這い回る。
あの人が触っている時はこんなじゃないのに。
全てが気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い!!
「いやぁぁっ離してぇっっっ」
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