long (Marco)2

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誰かが私を呼んでいる。




『名無しさん、このエースの弟面白い奴だよい。』


あぁ、マルコ本もアニメも一気に制覇しちゃったんだよなぁ。


『サッチを助ける事が出来れば親父の運命も変わるかもしれねえ。名無しさん、俺がここに来た意味はこれを知ることだったのかもな。』



あの時のマルコの表情覚えてるよ。
悔しいのと苦しいのと混じったような。でも未来を諦めてない貴方に私は惹かれていったの。



『名無しさん!これはなんだよい?』



事あるごとにこの台詞。なんか説明しきれてなかったけど、ちょっと私が博識になった気分だった。そして説明の後嬉しそうにいつもそれを見つめるマルコの表情が好きだった。





『汝のーーーと引き換えに我の朱雀の力を与えんーーー』




そうだった。
なんで忘れてたんだろう。


いなくなってしまったマルコを追いかけたくて。
私は。





全てと引き換えにマルコの世界へと。。。



『バカが。早く風呂入って来いよい。風邪引くよい。』



『ん?熱が高えよい。まだ寝てろい。』



冷たくて気持ちいい。
そうだ。私熱出した時マルコに看病してもらったね。


なんか妙にリアルかも。
夢なはずなのに、重くて熱い身体に冷えたタオルが心地いい。



「名無しさん。。。」



マルコ!なんでそんな寂しそうに笑ってるの??どこに行くの??行かないで!!



どんどん遠く小さくなるマルコの背中に手を伸ばしてるのに届かない。



「っマルコ!!!ーー痛っ」


私はガバって効果音がつきそうな勢いでベッドから起き上がった。
途端に肩からの激痛とめまいに倒れ込む。


「っ名無しさん!!バカ、何やってんだよいっ」


近くにいたマルコが慌てたように声を荒げて私を再びベッドへと寝かしてくれた。


「ーーーっ」


痛すぎて声にならない。全身に響く激痛に呻いていると、頭上からマルコの呆れたような声がした。


「ったく。痛ぇに決まってんだろい。急に動くなバカ。まだ熱も高えんだ、ゆっくり寝てろい。」

「マルコ。。私、一体。。。」


マルコは私が飛び起きたせいで落ちたタオルを拾うと桶で水に冷やしてからそっと私の額に乗せてくれた。


「覚えてねぇか?お前刺されたんだよい。」

「あっそういえばあの子のお父さんは??無事だった??」


朱雀の力を注いでいた男性を思い出して
マルコを見上げながら聞くと返事の前に深いため息が聞こえてきた。



「。。。無事だ。問題ねぇ。それよりお前は自分の事を考えろい。お人好しにも程があるよい。」

「そうだ。あの人助けてたら男の子が小瓶を渡そうとして、なんか躊躇ってて割っちゃったんだ。そしたらサラシアさんが急に。」



マルコは私の頭をそっと撫でてから私の手を取りぎゅっと握った。



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