long (izo)
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ドキドキしながらシャワーを浴びていつもの寝床に行くとイゾウはいなかった。
なんだったんだろうあれ。
びっくりしたし怖かったけど、でも不思議と
「嫌じゃなかったかも」
「なにが嫌じゃなかったんだ?」
返ってくることない独り言に返事があった。ギギギと音がするんじゃないかと言うくらい不自然にぎこちなく声がした方に首を向けると
「いっいっイゾウいつの間に!」
「今帰った。向こうで風呂入ってきたんだよ」
言われてみるといつもの浴衣に濡れた髪を下ろしてスッピンになってる。
「で?なにが嫌じゃねぇんだ?」
「。。。マルコに足を触られた感触」
「へぇ。お前さんマルコが好きなのか」
咄嗟に口をついたのがさっきのマルコ。
確かに私は白ひげ海賊団ではマルコ推しだったし(麦わらの一味ならサンジ)嘘ではない。
「あの蒼い炎綺麗だったよねぇ」
思い出すだけでうっとりしてしまう。
チラッとイゾウをみると興味なさげに棚から瓶を取り出して煽っていた。
「まだ飲むの?」
「あぁ。風呂上りの一杯ってやつだ。お前さんはもうやめとけよ」
くれないんだ。けち。
そういえば気になってた事が一つ。
「ねぇイゾウ。イゾウはなんで私の事お前さん、お姫ぃさん、名無しさんって3つの呼び方をするの?この差はなに?」
もそもそと布団に入りながら聞くと
「まぁ気になさんな。名無しさんはどう呼ばれるのが一番いいんだ?」
うーん。なんだろう。質問しておいてなんだけどもう眠い。
「うーん。。。やっぱ名無しさんかなぁ。名前はその人だけを指す言葉だしここに自分がいるって実感する。それに」
「それに?」
「イゾウに名前で呼ばれるとどきっとする」
そう答えたのも束の間私は睡魔に飲まれて行った。
夢か現か曖昧な感じでイゾウの声を聞いた気がする。
「おやすみ名無しさん。今日は姉さんと一緒に寝ようかねぇ。」
***
寒くて夢から覚醒した。
「。。。ん。。寒っっ」
「ん?あぁ冬島に近けぇんだろ。こっちこい」
「ん。あったかい。。。」
「冷えてらぁ。もっとくっつけよあっためてやる」
イゾウに抱きしめられる夢。あったかかったなぁ。ん。少し硬くてこんな感じ。
んんんん????
「いっいっいっいっ」
「なんだい?どうした。まだ早ぇから寝てろ」
ぎゅーっと抱きしめられた感触。
目の前には引き締まった胸筋。
ほのかに香るはたぶん伽羅の香り。
「な、な、なんで???」
「んーうるせぇなあ。お前さんが寒いっていったからこうしてあっためてんだろうが。あ、間違えた。お前さんじゃなくて名無しさんだな」
少し緩められた腕から見上げるとニヤニヤと笑うイゾウの顔があった。
「別にいいだろ?姉さんと一緒に寝ても」
「ごめんなさいイゾウ兄様」
「もう姉貴とか言わねえよなぁ?」
酔っ払いの戯言なのに意外と根に持つタイプなのね。覚えておこう。
こんな起き方心臓がいくつあっても足りないわ
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