long (Marco)

□漆
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翌日、帰ってくるとDMに混じって一通の手紙があった。
何気なく封を開けかけた瞬間


「痛っ」

初めは何が起こったのかわからなかった。


「どうした。。。?って名無しさん!何してるんだよぃっ」


マルコが慌ててこちらに駆け寄り私の手首を掴み自分の顔の前へと上げた。
つぅっと指先から流れる赤。それを躊躇うことなくマルコは血の流れる私の人差し指を自身の口に含んだ。
ちゅうっと吸い上げて指を口から離す。
それでも止まらない血。


「大丈夫だよマルコっ離して」

「まだ血が止まってないよい。」

差し出したティッシュの箱をマルコに奪われ、再度指をちゅうっと吸い上げてからティッシュを巻かれて指をギュッと抑えられた。


「だからって私の血舐めたら気持ち悪くない?」

「。。。何で切ったんだよぃ?」

「ん?手紙を開けようと。。。え。。?」


マルコの空いた手で手紙を奪われ


「何だこれ。カッターの刃かよぃ。中にまだ何か」



マルコは押さえていた指を離し、手紙を指を切らない様丁寧に開けて中を探った。
そこにはマルコと一緒に歩く名無しさんの写真が一枚入っていた。



***



「この世界は穏やかで安全なんじゃなかったのかよい?」



あらから夕飯を作って席に着いたマルコの第一声。珍しくテレビはワンピースではなくどこかのクイズ番組が流れている。


「なんかの嫌がらせだろうね。」

「前からかよぃ?」



少し怪訝そうな顔をしながらそう紡ぐマルコに首を傾げる。


「まったく。無自覚かよぃ。ちょっとは危機感を持てよぃ。」


お前も女なんだから。と続けるマルコの言葉に曖昧に返事を返した。普段から女扱いされることなんか滅多にない。照れを隠すかの様に食器を下げて洗おうとシンクに向かうと右手を取られた。


「怪我してんだろぃ。洗い物ぐらい俺がやるよぃ。」

「え?いいよ。大丈夫だよ?」

「いつも世話になりっぱなしで何もしてなかったからねぃ。これからは出来る事は手伝うから俺にも頼れよぃ。」


右手首を離したマルコの掌は名無しさんの頭をぽんっと撫でた。


「ありがと。じゃあマルコに洗い物お願いして私、ふうの散歩してくるね!」

「おい!お前俺の言ったこと聞いてたのかよぃ!暗い中女一人で出歩いたら危ないだろうが!」


大丈夫な筈なのに、何故か怒っているマルコが洗い物を終わるのを待ち一緒に夜の散歩に出かけた。



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