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□仲間
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ミアが戻ると、皆すっかり眠っていた。

大きないびきが響き渡り控えめにいってうるさい。


「あぁ〜いや?まだ食えるぞ?」

「馬鹿野郎...んー...」


それぞれ寝言を言いながら、いい夢を見ているようだ。


「まったく...これだから男は」

ミアは呆れながら皆の横を通り、ミホークの元へ戻った。

「ミホーク、これ持っていくことにした」

「....そうか、好きにしろ」

ミホークは若干心配しながらも、ミアの意思を尊重することにした。

「で、持ち歩き方を考えてるんだけどさあ」

「お前のことだ。おれのように背に携えたいと言うのだろう」


ミホークは溜息をついた。


「よくわかったね」

ヘラっと笑うと、ミアは装備が整うまでの間は仕方がないので抜き身のまま腰に差すことにした。

「でも私、二刀流なんてしたことないしなあ」

「腕力は、まだまだだからな。
少なくとも利き腕と同等の力をつけなければ、敵の攻撃を防ぐこともできまい」


「うーん...」


明らかに力不足なのは自分でも分かっていた。

青刀は見違えるほどに軽くなったものの、集の重量は並みの刀より重い。

「じゃあ左手に青刀ってのはどう?」

「どんなに手に馴染んでいようとも、体が持たなければ意味がないぞ」


「うーん...」

「ん?何してんだお前ら」

寝ぼけながらゾロが起きてきた。

「ゾロ!二刀流って私には難しいと思う?」

「あぁ?なんだよ急に」

ゾロは迷惑そうな顔をしながらミアを眺めると、腰に携えた見覚えのある刀を見つける。

「おい!お前そりゃ...あの黒刀じゃねェか」


「そう!私が持つことにした」


「いいのか?お前の人生を大きく狂わせた張本人でもあるんだろーがよ」


ミアは暫く考えた。

「でもね、黒刀のお陰で私は皆に会えたから...恨んでなんかない!」


ミアの真っ直ぐな目にゾロは打ち負ける。

「ったく...おい鷹の目、いいのかよ」

「問題なかろう。何かあればすぐに取り上げるだけだ」

ミホークは相変わらず赤ワインを片手に、海風にあたりながら答えた。


「そーかよ。じゃあまあ好きにしろ!
で、二刀流だっけか?
お前、俺の手握ってみろ」

「握る!?」

ドキッとしていると、ゾロが慌てて首を横に振る。

「そ、そんな意味じゃねーよ!!握力見てやるって言ってんだ」

「ああ...なんだ焦った...」


ミアはゾロの手をグッと強く握った。

ギュウウウゥ


「....んー。まあまあってとこだな。
んじゃ、次は反対だ」


ぐぐ...


「おい、真面目にやってんのか?」

「全力だし..!」


くはーっと力を抜きゾロの手を離すと、ゾロは首を傾げた。


「お前、どういうトレーニングしたらこんなアンバランスな力がつくんだ?」


「何、そんなにひどい?」


「右と左の力が天と地の差だ!
二刀流なんざ、今のお前にはできねェよ」
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