main-1-

□終わりが始まり
1ページ/6ページ


むせ返るような煙が立ち上る中で、一人の少女が走る。

その後ろを多数の海賊たちが追う。

今更、持っているものなんて「命」一つだというのに


どうして、「命」をここまで惜しむ・・?


少女はぴたりと立ち止まると、海賊たちに向き直った



「ねえ。私は、どこになんで生きてると思う?」



海賊たちは間の抜けたような顔をした後、皆でそろって噴き出した。


「ぷっ!!!ハハハハハハハハ」

「なんだよ嬢ちゃん!命乞いのつもりか?」

「へたくそだなあ?俺たちはお前の命一つ狙ってるだけで、別にほかの目的なんざねえんだよ」


「「ひまつぶしにな!」」



ああ、そうなんだ。

「ひまつぶし…。嫌いだな。その言葉は」


「ああん?」

少女は一歩踏み出し、

「自分が何者で、どんな生き方をしてきたかわかるくせに!!!
人生をひまつぶしなんかで埋め尽くして、それこそ生きてる意味なんてない!」


ぎゅっと目を瞑って叫んだ。
次の瞬間、自分の命が果てることを知った上で…。







しかし、なにも起こらない。
あたりはしん、として物音ひとつしなかった。


恐る恐る目を開けてみると、そこには海賊たちが倒れていた。

気絶しているようだ。

少女は全身の力が抜けて、その場に倒れこんだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ