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□鷹の目
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刀を持ったまま城の外へでると、ヒヒたちが慌てて逃げていっていた。

いつもはミホークにおびえて逃げていたものの、どうやら今日はこの刀におびえているようだ。


「ミホークが直接修行をつけてくれるの?」

「お前には感じ取れぬかもしれんが…。
その刀はほかにない覇気をまとっている。
弱き者は、その刀を抜いただけで意識を失うだろう。」


淡々と刀のことについて教えてくれるミホーク。

今からこの人と修行すると考えると、恐れ多くてかなわない。

(どうしよう…ミホークに修行つけてもらっちゃうなんてやばいことだよね…どうしよう)


「さあ、かかってくるがいい」


黒刀に手を伸ばし、構えをとる。

ミアもなまりきった体に力をいれ、刀を握る。


「その剣に、名はない。
己が心力と力をもって直接聞きだすのだ」


「直接…聞き出す…」


一歩足を踏み出すと、次の瞬間ミホークの目の前に現れる。

ガキィン!!

至近距離での鍔迫り合いだが、腕力が違いすぎる。

ミアはあっけなく力負けして壁に突き飛ばされてしまう。

ドォン!

「…っくは!」


「その程度か?」

「くっ…。私は…この剣の名前を知る…」

瓦礫から這い出し、再び足に力をこめる。

「私はいつか、貴方を超える剣豪になってやる…!」


(キィィンッ…)

一度刀が交じり合ったその後も、幾度となく刀は交差した。


(ミアの腕力と体格から考えて、俺の太刀筋と互角にやりあうのは不可能だ…。
尚も戦えるということは、やはりあの刀がミアの身体能力を引き上げているということになる。
面白い娘だ…。)


「この俺を…超えてみよ…!」


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