main-1-
□記憶の断片
1ページ/6ページ
「こ、これはひでぇぞ…。
すぐに調べる!でもミアの血液型をしらべるところからだ…」
チョッパーは運ばれたミアの容態を確認した。
「…S型だ。俺と同じ」
ミホークは一度手当したことがあるため血液型ははっきりとわかっていた。
「そうか…!よし、じゃあうちでS型は…ってサンジ今いねえのか!」
「俺の血を使え」
ミホークは一歩歩み寄ると、チョッパーに申告した。
「いいのか?」
「ああ。」
「よし…じゃあこっちに」
チョッパーはミホークを医務室の中に案内した。
パタン
医務室の扉が閉まったあと、ゾロたちは顔を見合わせた。
「ねえゾロ。あいつって結構いいやつなんじゃないの?」
「ええ。私にもそう見えたわ…。それとも、彼女に対してだけ、なのかしら?」
「知るかよ!少なくとも俺はあんな風にされた覚えはねえよ」
「いやー、紳士ですねぇ彼。私、目が点になっちゃいました!あ、私、点になる目、ないんですけど。ヨホホ」
「お前らそんなのんきなこと言ってる場合かよぉ。ミアがピンチなんだろぉ?」
ウソップは窓から心配そうにのぞき込んでいる。
「うん・・・それはわかるんだけど」
「とりあえず、ルフィたちを呼び戻したほうがいいんじゃないかしら」
「お!そうだな!あいつら早く戻ってくりゃいいんだけどよ」
「…ちっ」
ゾロはドスンと医務室の前に座り込んだ。
「俺に責任がある。あいつが動けるようになるまで、俺はここを離れるわけにはいかねぇ。
俺以外でだれか、ルフィたちを呼び戻してやってくれねえか」
すっかり日が暮れた空を見上げ、ゾロは己の未熟さをかみしめていた。