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□2人立ち
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「んぁ...朝かあ...」

眠い目をこすりながらルフィが目を覚ます。

「そろそろ出航するわよ!」


「ナミ、お風呂はいってきても良いかしら」


「ロビン、良いわよ。私も次はいる!」


「お風呂...ですか...いいですねぇ」

「鼻の下伸ばすな!変態ガイコツ!」


「あぁ...イッテェ。流石に呑みすぎたな」

サンジは若干二日酔いを訴える。


「だらしねェ。お前は鍛錬が足りねぇんだよ」

「あぁ!?なんの鍛錬だこの野郎!俺はお前と違ってデリケートな部分があんだよ!」


「あぁ!?誰がデリケートだって!?もっかいいってみろ!」


「朝から元気だなーお前ら...おいチョッパー、お前大丈夫かあ?」

「うぅ...俺もなんか気持ち悪い...」


「おうおう、しっかりしろよ。船医がそれじゃあしまらねぇぞ」


一味がそれぞれ目を覚ましたが、ミアはスヤスヤと眠ったままだ。



ミホークは甲板から降りてくると、一味に向き直る。

「昨日話した通り、おれはこの船をでる。」


「やっぱ、行っちまうのか?」


ルフィは寂しそうにつぶやく


「世話になったな。麦わら。
次に会うときはまた敵となるだろう」


「そんなこと言うなって!またなんかあったら力貸してくれよ、鷹の目!」

「おいちょっと待て!ミアも連れてくつもりじゃねぇだろうな!?」

そんな話聞いてないとゾロがズイと出てくる。

「ロロノア、お前にはまだ話していなかったが、おれから説明しよう」










ゾロは一通り話を聞き、グッと唇を噛んだ。


そこに目をこすりながらミアがむくりと起き上がった。


「んー....」


「お!目が覚めたかミア!」

ウソップがウキウキとミアと話している。


ゾロはミアの横顔を見ながら、ミホークから聞いた話と照らし合わせる。



ミアは、「あっ」という顔をしてミホークに駆け寄った


「ミホーク、私やりたいことが決まったんだ!」


「ほう...。何だ?」



ミアは「ヘヘッ」と笑うとミホークを見上げて言った。



「世界一の剣豪になって、ミホークを超える!ミホークの前に立って、貴方を守る!」


その目に曇りはなかった。

まるで健気な少女のように、ミアはミホークに笑顔を見せた。


ゾロは、痛感していた。

ミアは、ミホーク以外の人間には男勝りな言葉遣いで、馴れ合うような素振りはあまり見せない。

ただ、それはミホークの前だとまるで違う。

無邪気な子供のような、楽しそうな笑顔を良く見せる。

父親に甘える娘のような、妻...のような。



『ミア自身の心の傷は、簡単に癒せるものではない。
傷の正体も分からない今は、心安らげる時間と己の鍛錬のための時間、自由な時間...とにかく時間が必要になる。
賑やかなこの船も悪くはないが、今は特に思考する時間を与えるべきだと考えている。』


ゾロは、冷静な考えを述べたミホークに完敗していた。

自分が共に過ごしたいと思っているだけではない、なによりミア自身のことを考えている。


そして、ミアもミホークのことをなにより考えていた。


「っ.....たく。俺は1人で何を....」


ゾロは結局、ミアの為を十分考えきれていなかったことを反省し、承諾した。


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