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□返還
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「みんな、本当にありがとう。
また海で会ったら、その時はよろしく頼む!」
ミアは棺船からサニー号を見上げ、ルフィたちに手を振った。
「ミアー!頑張るのよー!
あたしたちも何か分かったら、連絡するからー!」
「ちゃんと薬飲むんだぞーっ」
「次にお会いした時こそ、ぱんt」
「お願いブルック、それ以上ミアに変なこと言わないで」
「親父に会ったら、よろしく伝えてくれよなー!」
「ミアちゅあーーん!体に気をつけてーー!お弁当、ちゃんと食べてねぇ〜♡」
「達者でやれよー!」
「ミアー!鷹の目ー!
おめぇら元気でなー!」
みんなが大きく手を振る脇で、ゾロも軽く手を挙げ挨拶をした。
いつしか船影は遠くなり、サニー号は見えなくなった。
ミアはミホークの後ろに背を向けて座り、青い空を見上げた。
「みんな...見えなくなっちゃったね」
「名残惜しいか?」
「いや、ルフィたちならきっとすぐ会える。あいつら、どーかしてるから」
クスクスと笑っているミアを見ると、ミホークも口元を緩めた。
「お前はそうやって笑っている方がお前らしい」
「ん?なにさ滅多に大笑いしない人に言われたくないよ」
ミアはむーっと膨れるとミホークの帽子を奪った。
「私さ、色んな人に色んなものもらってばっかりで..。
記憶が戻ったら、色んな人に恩返ししたいって思ってる。」
ミアはミホークの帽子を被り風羅を見つめた。
「全てが終わらせるまで、油断は禁物だぞ」
「わかってるよ。ミホークに守られっぱなしも嫌だし、しっかり働くよ」
ミアはちょっとぶかめの帽子を被ったままぐるぐる回した。
「ねえ、私もミホークみたいな格好しようかな!」
「人の真似をしてなにが楽しい...」
「なんか、師弟って感じするじゃん」
ミアは久し振りにミホークと話せてウキウキしていた。
体が重くてまともに会話が出来なかったために、その反動は大きかった。
「お前はお前だろう。好きにしていろ」
ミアは帽子をミホークの頭に返した。
「じゃあ同じような格好する!
でも上半身晒すのはなあ...。」
ごちゃごちゃと、ミアの独り言は続いた。