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□カルサ
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リマオ王国城内。
『主よ、奴がきたようだ』
「早かったですね。もう少し時間がかかるものかと思いましたが...」
『我らには奴の気配がよく感じ取れます。一人ではないでしょう。捕らえに向かいますか?』
「まずは、王の意思を尊重しなければなりませんよ」
レイノールは誰かと話しながら王の間へと向かう。
コンコン
「王よ、ミアが到着したそうで」
「ああ。レイノール。お前の働きで順調に事が進みそうだ」
王と呼ばれた男はニンマリと笑いながらレイノールを振り返った。
その男の前には二人の男がいた。
「お前たち三人で邪魔者を排除しろ。
赤髪のシャンクス、麦わらの一味、そして鷹の目のミホーク。こいつらさえ排除しておけばいい。海軍などどうとでもなる」
「レイノール、あんたがせっかく盛った毒をゼンが台無しにしたそうじゃないか。アイツさっさと始末しとかなくていいのか?」
髪を一つに高く結んだ、和装の男が問いかける。
「作戦に支障はありませんのでお気になさらず。目的は果たした後でしたのでね」
「ほぉ?それなら構わないが、俺は四皇、赤髪の相手をさせてもらうぞ?」
「おやおや。随分と自信があるのですね...。構いませんよ」
「自分は、鷹の目を」
大太刀を持った男が動き出す。
「あの方はお強い。一番厄介でしょうからしくじらないように」
「世界最強の黒刀を持つ剣士は一人で十分。王がその剣士であるにあたって、鷹の目には消えてもらいます」
「そんな世界も、もう直ぐ終わる」
王と呼ばれる男は、外を眺めながら吐き捨てた。
「確実に仕留めろ。お前らがしくじるな。特にカルサ、鷹の目を甘く見ない方がいいぞ」
「分かってますよ。自分にお任せを」
カルサと呼ばれた男は、霧に紛れるように消えていった。
「私は麦わらを相手いたしましょう。位置を特定できない分面倒ではありますが」
『ロロノア・ゾロなら城の近くまできている様子。そこから潰そう』
「把握しました」
レイノールは水になり、窓から出ていった。
「相変わらずよく喋る刀だな。俺はアイツの刀、好かねえ」
「四皇の相手は一筋縄では行かないだろう。お前も十分気をつけておけ、ツド」
「はいよ」
ツドと呼ばれた大太刀の男も、ザッと窓から飛び出した。
一人部屋に残った王は、黒刀に触れ一筋の血を流す。
「お前が恨めしいこの世界の終わりはもう直ぐだ...」