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□仲間
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「宴だあああああーーー!」


「「かんぱーーい!」」



日が沈み、ルフィたちはそれぞれの船から食材を引っ張り出し宴をはじめた。


酒を飲み交わし、サンジの料理を皆で頬張った。

「ルフィ、お前酒が飲めるようになったのか!こりゃ傑作だ」

「なんだよ!酒くらいのめらぁ!」


「ウソップ、大きくなったな!射撃の腕も大したもんだ!流石は俺の倅だ!」

「親父にはまだまだかなわねえけど、俺はもっと強くなって見せるさ!
勇敢なる海の戦士として!」



それぞれが楽しんでいた頃、ミアもレモンティーを飲みながら宴を眺めていた。


(リマオの追跡から解放されたなんて、嘘みたいだ...。
長いようで、短かったなあ)


ミアは夜空を見上げ、どんちゃん騒ぎする一同の声を聞きながら思い出を振り返った。


まっさらになった記憶に、色付けてくへるたくさんの仲間たちの笑顔。

この広い海で、偶然助けてくれた人たち。


ミアは、ふと昔のことを思い出した。
海賊に返り討ちにされ海へ逃げ込んだ後、助けてくれた男のことだ。
潮水で視界がぼやけ、声しか聞こえていなかったものの、今思えばあれは...

料理を運んできてくれるミホークに気づき、確信を得る。

「ミホーク...」


ルフィたちと出会って、庇おうと船の盾になった時が初対面ではなかった。

ミホークは、初めから気づいていたのかもしれない。


何も語らない彼の心情は、ミアには分からない。
ただ、鷹のように鋭く光る目の中には...


「どうした、ミア」


ミア一人の姿が、映し出されている。

「なんでもないよ」


ミアは差し出された料理皿を受け取った。

「私、この世界のことをもっと、知りたいな...」


ミホークはミアの隣に座ると、騒ぎ立てるシャンクスたちを眺めた。

「...昔の話だが、おれは海で幼い少女を見つけた。
まだ世間知らずで、思い上がった小娘だったがその目には知らぬ世界への憧れが映っていた。
今、おれの隣にいるお前と、同じ目をしている」



ミアは手を止めると、ミホークを見上げた。
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