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□青刀・風羅
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「それは、どういうこと?」


ミアは腕まくりをして、ロビンに二の腕を見せる。

ほっそりとしていてとても頼りない。

「私は、毎日修行を欠かさない。
ゾロと同じだ。
しかし、その努力も腕力も、筋力も、刀に持っていかれる。
刀を抜いた時に力を吸われ、納めた時には私の身体にはもう戻ってこない。
私の修行によって身についた力は、刀に蓄積していく。
私には、何も残らない。」


「それは...簡単な話、戦闘中に刀を手放せば、あなたは非力な女になる。
ということかしら」


「そうだ...。まるで役に立たないだろう」


ミアは俯いた。
風羅を使って修行を始めてから、半月ほど経ってから気がついたことだった。

もともと刀には力が備わっていた。
それこそミホークとまともに刀を交えることができるほどの力だ。

ただし、刀を手放せばすべての力を失う。

言わば、刀を握っていない間は、海に沈んだ能力者の如く無防備で、無力になるということ。

そんな安定しない力を手に、力を極めようとしていることが師であるミホークに知れれば、必ず取り上げられる。

だが、他の刀を握った時に
「「弱き者」」
と言われるのが怖くて、とても相談することができなかった。

なにより、ミホークにもらったこと刀を手放すことが惜しかった。
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