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□2人立ち
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身体中から汗が流れ、苦しそうな呻き声をあげるミアを、ただじっと見守ることしかできないミホークは、そっとミアの手を握った。


ミアも必死に苦痛に耐えていた。


不思議なことに、その間ミアは記憶の断片を何度も見ていた。


故郷のリマオ村や、シャンクスたちと過ごした5年の日々。

シャンクスと別れてすぐにリマオの追っ手に襲われたこと


次々と記憶が呼び起こされた。


「うぁ.....!うわああああああ」



防音環境になった医務室には、ミアの必死の叫びも小さな声でしか響かない。


いかに苦しいかは様子を見ていればわかる。

「あと3日....か」


ミホークはミアの手を握りながらただ時間が過ぎるのを待った。










「よし、んじゃあ俺は鷹の目に飯持って行ってくる」

夕食の準備を終えたサンジが皿を持ち上げると、ゾロが声をあげた。


「いや、俺が行く」


「あぁん?てめぇそうやって俺とミアちゃんの再会を妨げようってのか!?」

「鷹の目に話があるんだよ!てめぇなんざ関係ねぇ!」


ガツウン!


「どっちでもいいからさっさと行って来なさい!」


ナミは2人にゲンコツを浴びせると静かに席に戻った。


「仕方ねえな、おいマリモ、こぼすんじゃねぇぞ」

「そんなアホやらかすかよ」


キッチンから出ると、穏やかな海風に吹かれた。


医務室を窓から覗くと、ミホークがミアの手を握っているのが見えた。


チクリ


また感じたあの痛み。


「...これが、『嫉妬』ってヤツか」


ゾロはうんざりしながらも、医務室の扉を開けた。


「おい、飯だ。てめぇもなんか食っとかねぇと、身が持たねえぞ」


「ん?ああ」

ミホークはミアの手を離すと、ゾロが置いてくれた夕食を眺めた。

「そりゃあよ、ミアが食えねえのにこんなところで自分だけってのはわかるけどよ」


ゾロは察したようにミホークに声をかけた。

「何もおれはそんなことを気に病んでいる訳ではない。
どれだけこの治療法が強引で効果的かどうかなど、様子を見ていれば然り。
だが、元々大した体力を持ち合わせていないが故に、3日という期間を耐えきれるかが問題となる」


「それはお前も一緒だろうよ。
こんなとこでじっとしてたら、腕が鈍るんじゃねえのか?」

「人のことを心配するなら、まずは自分の力をあげることだな」

「な!うるせえ!おれは毎日欠かさずトレーニングしてる!
...お前も、風呂くらい入っとけ。
その間、俺がミアを見る」


ミホークは夕食を食べながらミアをチラリと見た。

未だに緩まない激痛に耐え、汗を流している。

ミホークは立ち上がり、タオルで汗をぬぐってやった。


「おれたちにできることはそう多くはないが、最低限の事はしてやれるだろう」

「....ああ」


ゾロはタオルを受け取った。


ミホークも食事を終えると、食器を持って医務室を後にした。
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