腐向け小説
□短編集
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【おついち視点】
「ねぇねぇ、弟者くんは兄者に最近惚れ直したところとかってある?」
「え、うーん、なんでもかっこいいと思うけれど・・・。」
弟者は考えながら惚気ともとれる言葉をつぶやいている。
弟者は急に思いついたのかバッと顔をあげた。俺はそれにびっくりして動きが止まる。
「そうそう、この前料理を作ってくれた時があったんだけど。」
「うん。」
「その時の卵焼きが甘くなかったこと・・かな。」
「・・・そういえば、兄者は甘い卵焼きで弟者くんはだしまき派だったね。」
「そうそう、すこし焦げてたけれど美味しかったよ!」
弟者はそう言って楽しそうに笑った。
俺は面白そうに笑った。
その後の卵焼きは、ずっとだしまき卵だったよう。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
「兄者は弟者に惚れ直したことって何かある?」
「この前、Gが出たんだけどな。」
「うん。」
「あいつ。すぐに片づけたことに惚れたわ。」
「ああ・・・うん。もっと違う事期待してた。」
「でも、惚れるしかねぇだろ。」
「まあ、確かに。」
そういって話していると、Gがでた。俺は無理なので兄者のほうに逃げる。兄者も何も言わずに弟者の名前を叫んだ。
弟者くんは、何も言わずに処理をしてきてくれた。でも、その顔は何も考えたくないような無表情なのも、すこし恐怖であった。